清楽月琴WS@亀戸 2019年七月場所!

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斗酒庵 WS告知 の巻2019.7.27 月琴WS@亀戸! 七月場所の巻


*こくちというもの-月琴WS@亀戸 7月 のお知らせ-*


 2019年,7月の清楽月琴ワークショップは,7月27日,七月の最終土曜日の開催予定!

 雨もよいのなかの6月場所,
  きてくださいました常連様方----感謝多謝。
  ああ,そうそう。
 今回は「カノン」の完走者が2名出ました!!

 …奮起せよ!海内のげっきにゃー・げきにすと!

 「カノン」の楽譜の入ってる猫の印の楽譜集(PDF)はこちら----
 http://charlie-zhang.music.coocan.jp/LIB/SGETC_pre4.pdf


 会場は亀戸 EAT CAFE ANZU さん。

 いつものとおり,参加費は無料のオーダー制。
 お店のほうに1オーダーお願いいたします。

 お昼下りの,ちょろちょろ開催。

 美味しい飲み物・お酒におつまみ,ランチのついでに,月琴弾きにきませんか?

 参加自由,途中退席自由。
 楽器はいつも何面かよぶんに持っていきますので,手ブラでもOK。

 初心者,未経験者だいかんげい。
 「月琴」というものを見てみたい触ってみたい,弾いてみたい方もぜひどうぞ。


 うちは基本,楽器はお触り自由。
 1曲弾けるようになっていってください!
 中国月琴,ギター他の楽器での乱入も可。

 弾いてみたい楽器(唐琵琶とか弦子とか)やりたい曲などありますればリクエストをどうぞ----楽譜など用意しておきますので。
 もちろん楽器の取扱から楽譜の読み方,思わず買っちゃった月琴の修理相談まで,ご要望アラバ何でもお教えしますよ。

 とくに予約の必要はありませんが,何かあったら中止のこともあるので,シンパイな方はワタシかお店の方にでもお問い合わせください。
  E-MAIL:YRL03232〓nifty.ne.jp(〓をアットマークに!)

 お店には41・49号2面の月琴が預けてあります。いちど月琴というものに触れてみたいかた,弾いてみたいかたで,WSの日だとどうしても来れないかたは,ふだんの日でも,美味しいランチのついでにお触りどうぞ~!

 
 現在,お嫁入り先募集中の楽器は60号「碧空(あおぞら)」。

 興味あります方も,試奏がてらにどうぞ~。

清楽月琴WS@亀戸 2019年六月場所!

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斗酒庵 WS告知 の巻2019.6.15 月琴WS@亀戸! 六月場所の巻


*こくちというもの-月琴WS@亀戸 6月 のお知らせ-*


 2019年,6月の清楽月琴ワークショップは,6月15日土曜日の開催予定!

 さて5月末にもう猛暑日の今日この頃,
  いつもだと梅雨の季節ですが,
 こんどはどうなってることやら?

 会場は亀戸 EAT CAFE ANZU さん。

 いつものとおり,参加費は無料のオーダー制。
 お店のほうに1オーダーお願いいたします。

 お昼下りの,ちょろちょろ開催。
 美味しい飲み物やお酒に,なんか美味しいものでもちょとつまみながら,月琴弾きにきませんか?

 参加自由,途中退席自由。
 楽器はいつも何面かよぶんに持っていきますので,手ブラでもOK。

 初心者,未経験者だいかんげい。
 「月琴」というものを見てみたい触ってみたい,弾いてみたい方もぜひどうぞ。うちは基本,楽器はお触り自由です。

 1曲弾けるようになっていってください!
 中国月琴,ギター他の楽器での乱入も可。

 弾いてみたい楽器(唐琵琶とか弦子とか)やりたい曲などありますればリクエストをどうぞ----楽譜など用意しておきますので。
 もちろん楽器の取扱から楽譜の読み方,思わず買っちゃった月琴の修理相談まで,ご要望アラバ何でもお教えしますよ。

 とくに予約の必要はありませんが,何かあったら中止のこともあるので,シンパイな方はワタシかお店の方にでもお問い合わせください。
  E-MAIL:YRL03232〓nifty.ne.jp(〓をアットマークに!)

 お店には41・49号2面の月琴が預けてあります。いちど月琴というものに触れてみたいかた,弾いてみたいかたで,WSの日だとどうしても来れないかたは,ふだんの日でも,美味しいランチのついでにお触りどうぞ~!

 57号時不知,前回のWSで無事お嫁に旅立ちました。
 現在,お嫁入り先募集中の楽器は60号「碧空(あおぞら)」。
 修理の時にイロイロびっくりのあった楽器ですが…音はいいンだよな~。
 興味ありますれば,試奏がてらにでもどうぞ~。

連山派 『声光詞譜』 復元楽曲改訂!

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斗酒庵 告知 の巻2019.5.15 連山派 『声光詞譜』 復元楽曲改訂!


 東京を中心に勢力があったため「東京派」とも呼ばれた渓派(渓菴派)の基本的な楽曲に関しては,去年までの研究で長編の歌曲いくつかをのぞき,だいたいのものについて,あるていど標準的な曲調を確定する作業が終わっております。
 なんといっても庵主,関東在住ですので,やはり手に入る資料は渓派のもののほうが多かったためもありますね。

 今年に入ってからは,清楽のもう一つの大派閥,関西を中心に覇をなした連山派(大阪派)の基本楽曲のほうに取り組んでおりました。
 ちょっと前も,2~3記事を書きましたもんね。
 ご存知の方も多かったかと。

 ちなみに庵主のやり方でいうところの「楽曲の標準化」とか「標準的な曲調」っていうのは,複数の資料を参考に,演奏者や付点者による楽曲のブレ----たとえば演奏者の個人的な追加演出や筆記者による誤写・誤謬----をなるべく排し,「この曲のメロディはだいたいこういう感じ」という,可もなければ不可もないような曲調を模索するところにあります。当時の誰が聞いても「○○○」に聞こえただろう,というくらいの平均的なメロディ。それらはあくまでも「標準」や「平均」であって,別に「正しい」ものを規定しよう,というわけではありません。博物学の標本みたいなものものですね。その種の中で平均的な個体,基準となる標本が決まってなければ,亜種やら変異という個体別の差異は論じられませんもの。

 でまあ,いままで入手できた「連山派」およびその東京における分派・「梅園派」(連山の妹・長原梅園による流派。こちらも東京を中心に活躍したため大阪の連山派に対し「東京派」と呼ばれることがある)の資料をかき集め,あーでもないこーでもないと校合をはじめていたんですが,そんなさ中ふとこんな資料が手に入ってしまいました----

 写本の『声光詞譜』。
 薄くて丈夫な用紙を横綴じにし,こまかーい文字でぎっちり書き込んだ,手書きの譜本です。
 「和泉」という印が捺してあります,巻末にも「明治三十年七月/和泉蔵」とあるものの書写者は不明。『声光詞譜』と題してはいますが,中身には『声光詞譜』刊本に含まれていない楽曲も入っています。
 残念ながら,付点があって,曲調を解読できるのは巻首からの58曲だけですが,一部は歌詞対照,かなりレアな曲譜も収録されています。

 いままで庵主の手元にある『声光詞譜』の付点本は加藤先生からいただいた刊本3冊本しか資料がありませんでした。曲譜の比較自体は沖野勝芳の『清楽曲譜』の近世譜とか柚木友月の『明清楽譜』などでいままでもある程度することはできてたんですが,今回この資料が手に入ったおかげといいますかせいといいますか。
 基本第一楽譜である『声光詞譜』の楽曲の全面的な見直しをすることとなりました----基本資料の根っこみたいなところに新資料が加わったわけで,「標準化」とか何とか言ってる場合じゃない。まずは資料の整理整頓,棚卸の必要が出てきたわけですね。

 新資料のテキスト化と,もともとあった『声光詞譜』の楽曲の見直し。「見直し」といっても,前のを修整した,というよりは入力のところから全面的にやり直した感じですね。うん,入力間違いもいくつかあったし,付点の解釈なんかいっぱい間違ってました。

 先に公開したコンテンツでは,今回の見直しを経て新たに組み直したMIDIと,各楽曲の譜についての解説が見られます。連山派の付点法における基本的な問題もあって,「標準化」への道はまだかなり遠いものの,前より少しマトモな再現になってるとは思われます。

 同じページで見られる,渓派の同じタイトルの曲と聞き比べてみたりするのも面白いかと。

 「明清楽復元曲一覧」リンクはこちら----

http://charlie-zhang.music.coocan.jp/MIDI/MINSIN.html


エレキ月琴 "Luna" 修理(1)

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娘が…娘が帰ってきよたあああっ! の巻2019.4~ エレキ月琴 "Luna" 修理(1)

STEP1 【ふっかつ の きょうかい(ただしアクシズ教)】

Luna大破!
おお ゆうしゃ ルナ よ。
しんでしまうと
は なさけない。

 庵主作のエレキ月琴としては3面め,スルーボディのカメ琴シリーズとしては2面めにあたる自作楽器,カメ2Lunaがかえってまえりました。

 ……うわあ,バッキリいったね。

 月琴というのは構造的にも単純で,基本的にこの手の弦楽器のなかでは比較的丈夫なほうであるんですが,この楽器のアキレス筋,いちばん弱いところがこの糸倉周辺。1号ちゃんも黒猫に糸倉ふッとばされて帰ってきたことがあったねえ。まあふつうはそう壊れませんがなんせ弱点,軽い衝撃でも「当たり所」が悪ければ----

かいしん の いちげき

 で,こうなることがママございます。
破断部(1) 破断部(2)
 糸倉の背の曲りのちょうど真ん中あたりにその原因とみられるヘコミがありました。おそらくここに何かがぶつかったはずみで,うまい具合にパキャっと逝っちゃったのじゃないかと。
打撃痕?
 ではサクっと修理。
 そしてさらに補強し,殴っても逝かないくらいの強度にしてさしあげましょう……ふふふ,コワくない。コワくないよぉ。ちょっとだけ……ちょっと先っちョ(糸倉)をアレ(修理)するだけだから。
合わせてみた
 まずは割れ目を継ぎます。
 こうした「かいしんのいちげき」系の破損では,破断面がパックリと,木目にそってキレイに分かれていることが多く,バキバキひびが入ってたり,欠片が散ってたり,断面がボサボサになってるようなことはまず滅多にありません。
 基本的には割れ目を合わせれば,きっちり噛合う状態になってます----今回の場合もそう。
ダボ埋(1) ダボ埋(2)
 まずは破断面にタボを通す小孔を穿ちます。
 挿しこむタボは竹串を直径2ミリくらいに削ったもの。これはあくまで破断部が接着時にズレないよう止めておくための補助・ガイドみたいなもので,この工作自体に補強的な意味合いはあまりありませんね。
ダボ埋(3) 接着後
 破断面をエタノールできれいにしてから,これまたエタノを加えて少し緩めたエポキを塗布。
 ちょっと置いて,少し染ませてから接合します。
 エポキはもともとあまり浸透性のない接着剤ですが,こうしてやるとわずかながら表層に染みこんで,接着剤の層の薄い,面同士の強固な接着が可能です。

 断面をキッチリ合わせたら,ズレないようにラップで巻き,その上からゴムテープをかけて保定します。こういう曲面の部品をくっつけるときたいへんなのが,どうやって保定し,正しい方向に圧をかけるかなんですが。接着物をまとめてラップで軽く固定してから,ゴムテープをギュッっとひっぱりながら巻きかけると,どんな曲面の部品でも比較的うまく,思う方向に圧をかけながらの接着保定が可能ですね。
 最近,靴屋さんの靴底修理法見て思いついたやりかたなんですが,いちいち治具に頼らない,使い捨ての保定法としてはこれ,なかなか使えます。

 二日ばかり放置してからほどきます。
 ふむ----まあスキマもなくうまくへっつきましたが,もちろんこれだけでは 「カタチを元通りにした」 だけのこと。強度的に不安がないわけではないので,ここから補強をしてゆきます。
チギリ加工(1) チギリ加工(2)
 まずは割れ目を中心にして輪鼓(りゅうご)型の孔を彫る。
 そう,お馴染みの「チギリ」を埋め込みます。
 チギリの埋め木は,細かな細工調整が出来るのでツゲ。

 ただ,この楽器の糸倉の材はカツラ。月琴という楽器の材料としてはじゅうぶんな強度と耐久性を持っていますが,木材としてはさほどカタくも頑丈なほうでもありません。また今回の場合,割れた場所と糸倉のデザインの関係で,チギリを一面1箇所しか埋めこめませんでした。まあさほど弦圧の強い楽器ではないので,エポキによる破断面の強固な接着とこのチギリによる補強なら,通常の使用にさほどの支障は出ないくらいにはなってると思うのですが----なんとなく不安なので,さらにもう一策練りましょう。
チギリ加工(3)
 次の日に,チギリの余分を切り落とし,整形するのといっしょに,糸倉左右の塗装を完全に剥がしてしまいます。
 そしてここに----唐木の板。
 大洗の4号戦車なみにシェルツェン(増加装甲)を施すこととしましょう,パンツァー・フォーッ!!
補強板接着(1) 補強板接着(2)
 糸巻の孔があるので,片面づつの作業となります。
 なぜって?----両方いっしょにやっちゃったらどうなるか…ちょっと想像してみてくださいってばよ(w)
 貼りつけたのは本紫檀の板,厚4ミリ……あ,これ銘木屋のおっちゃんが惜しそうにしてたやつだ(w)白太が混じってるんで泣く泣く切り捨てた部分ですね。貼る前に,ちょっと濡らして木色を見てみましたがひゃっはー,実にうつくすぃ。まあ自作の楽器の修理に使うのがもったいなくないかと言えば,若干思うところもないではありませんが,板の大きさ的にイマイチ中途半端なので,こういうときに使ってしまわないとただの死蔵になっちゃいますからね。
 だいたいのカタチに切り抜いたものを,製材時の鋸目の残ってる部分を表にして貼りつけ,クランプで固定・圧着します。
補強板接着(3) 補強板接着(4)
 片面を貼ったら,反対がわの糸巻の孔からドリルや錐を通して孔をあけ,リーマーでほじくって拡張。最後に両面貼ってからも一度調整するつもりなので,この時点ではだいたいでいいです。
 バッチリへっついててくれないと困る箇所ですからね。確実に接着するため一日一作業として,硬化時間を長めにとります。
補強板接着(5) 補強板接着(6)
 接着の養生もふくめ,両面でつごう三日ほどかけました。
補強板接着(7) 補強板接着(8)
 糸巻の孔をちゃんと通し,貼りつけた板の周縁を整形。表面の鋸目を落として磨いたら……ううむ,びゅーてほー,ですね!!
仕上げ(1) 仕上げ(2)
 カツラは白っぽい木なので,このままだともちろん逆シベリア。(w)
 増加装甲の部分がやたらと目立っちゃいます。
仕上げ(3) 仕上げ(4)
 まずは塗装を剥いだ糸倉のカツラの部分と,増加装甲部分の整形時に削れた棹の一部をスオウで赤染め,木口の向いている糸倉の表と背がわは特にベンガラやオハグロで黒染めにして,貼りつけた紫檀の板と色を合わせます。

 仕上げはカシュー。
 いつものように下塗段階での塗装と乾燥をじっくり。

 塗りこんで完成です!!
仕上げ(5) 仕上げ(6)
 木口方向はやや厚めに,紫檀板を貼った左右面は拭き漆くらいの感じで。うむ---

 一見,総唐木作りみたいな高級感。

 中身がベニヤ板の某国製唐木家具なんかでも良く使われてる手法ですね。(ww)

 今回の修理,欠損部品はありませんが,糸倉の幅が変っちゃったので,前の山口が使えません。
 これだけは新らしく作んなきゃね。
新作山口(1) 新作山口(2)
 増加装甲の紫檀板同様,こちらもある意味庵主の秘蔵品。
 国産木の宝石・薩摩ツゲでこさえましょう!
 糸倉の色が前よりずっと濃くなったので,この材のまっ黄色が映えるでしょうしね。
 唐物月琴に多い左右のエグれた富士山型にします。
 指板が山口の手前で切れるスタイルにしてあるので,高さ15ミリ……月琴の山口としてはかなり背の高く大き目なモノとなりました。
山口(3) 山口(4)
 高さ調整でちょっと底面を削りすぎちゃって,指板との間に少し段差ができちゃったのはナイショだ----すんません,さすがにもう一個削る余裕がないんで,これでイかせていただきます!(泣)
完成!(1) 完成!(2)
 Lunaは唐物月琴をコンセプトに作った楽器なので,棹の指板と糸倉の幅が同じですが,今回その糸倉に増加装甲を貼ったので,山口(トップナット)のところにふくらみのある国産月琴に近いフォルムとなりました。
完成!(3)
 この場合,本来なら国産月琴と同じように,棹の左右を削って山口方向に少し幅のせばまったカタチにするのが自然なのですが,棹と糸倉を構成する3ピースの左右の板がもともと少し薄めなのと,唐物をなぞった原コンセプトの部分を残しておきたかったので,今回はこのままとします。
 ほんとはついでに仕込み刀とか自爆装置なんかも取付けたかったんですが,オーナーさんに拒絶されました。
 次に大破してきたら変えてあげましょう(w)

 従前のLunaはその棹と糸倉のコンセプトもあって,スラっとした印象のある女性的な楽器だったんですが,ま四角な指板にすこし厚く,太くなった糸倉。これはこれで武骨モダンな感じもしないではない。。
 なにかちょっと「漢前」感が増したような気がします。


 さあ,これでちょっとそこらの何か殴っても2~3発は大丈夫(たぶん)
 またバリバ~リと使ってやってください。


(つづく)


古楽譜PDF公開のお知らせ

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斗酒庵 告知 の巻2019.5.09 古楽譜PDF公開のお知らせ


 これまでもどっかの共有ファイルサーバーにあげたり,ウィキにあげたりはしてきたんですが,次から次へと潰れたり消えたりしちゃうので,あきらめて今回はHPにうpりました。
 『清風雅譜』各版6種,『声光詞譜』2種に『小蘇女史清楽譜(仮)』。『声光詞譜』の3冊本はZIPにまとめましたが,ほかはPDFそのままで公開しています。
 商用でない限り,使用・引用・複製・再配布は自由とします。

http://charlie-zhang.music.coocan.jp/MIDI/MINSIN.html#PDFS

 まあ古楽譜は持ってても読み解きが大変なので,ふつうそのままでは演奏できませんし,研究者でもない限りさして役に立つものでもありません(w)が,自分がどういうものを使ってそれをホザいているのか,モトとなってる資料が公開されてなければ意味がありませんからね。また,こういう古い資料は公開して色んな立場のヒトの目に触れることで,はじめて意味を成すものでしょうし。

 同じページでは亀戸のワークショップで使ってる楽譜集も配布してますので,楽譜見て弾きたいかたは,そちらもどうぞご覧アレ。

http://charlie-zhang.music.coocan.jp/MIDI/MINSIN.html#PDF

清楽月琴WS@亀戸 2019年五月場所!

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斗酒庵 WS告知 の巻2019.5.18 月琴WS@亀戸! 五月場所の巻


*こくちというもの-月琴WS@亀戸 5月 のお知らせ-*


 2019年,5月の清楽月琴ワークショップは,5月18日土曜日の開催予定です!

 「令和」初の月琴WS----
   初物は縁起がエエそうですので,
  どうぞお験しお越しあれ。(w)

 会場はいつもの亀戸 EAT CAFE ANZU さん。

 いつものとおり,参加費無料のオーダー制。
 お店のほうに1オーダーお願い。

 お昼下りの,ちょろちょろ開催。
 参加自由,途中退席自由。
 楽器はいつも何面かよぶんに持っていきますので,手ブラでもOK。

 初心者,未経験者だいかんげい。
 「月琴」というものを見てみたい触ってみたい,弾いてみたい方もぜひどうぞ。うちは基本,楽器はお触り自由です。

 1曲弾けるようになっていってください!
 中国月琴,ギター他の楽器での乱入も可。

 弾いてみたい楽器(唐琵琶とか弦子とか)やりたい曲などありますればリクエストをどうぞ----楽譜など用意しておきますので。
 もちろん楽器の取扱から楽譜の読み方,思わず買っちゃった月琴の修理相談まで,ご要望アラバ何でもお教えしますよ。

 とくに予約の必要はありませんが,何かあったら中止のこともあるので,シンパイな方はワタシかお店の方にでもお問い合わせください。
  E-MAIL:YRL03232〓nifty.ne.jp(〓をアットマークに!)

 お店には41・49号2面の月琴が預けてあります。いちど月琴というものに触れてみたいかた,弾いてみたいかたで,WSの日だとどうしても来れないかたは,ふだんの日でも,美味しいランチのついでにお触りどうぞ~!

 現在,お嫁入り先募集中の楽器は57号時不知と60号。
 かなりタイプの違う楽器同士ですが,どちらも音はバツグンです。
 興味ありますれば,試奏がてらにでもどうぞ~。

清楽月琴WS@亀戸 2019年四月場所!

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斗酒庵 WS告知 の巻2019.4.13 月琴WS@亀戸! 四月場所の巻


 

 

*こくちというもの-月琴WS@亀戸 4月 のお知らせ-*


 2019年,4月の清楽月琴ワークショップは,4月13日土曜日の開催予定です!
 あや,来週か(^_^;)……告知からちょっと近くて申し訳ない。
 会場はいつもの亀戸 EAT CAFE ANZU さん。

 いつものとおり,参加費無料のオーダー制。
 お店のほうに1オーダーお願い。

 お昼下りの,ちょろちょろ開催。
 参加自由,途中退席自由。
 楽器はいつも何面かよぶんに持っていきますので,手ブラでもOK。

 初心者,未経験者だいかんげい。
 「月琴」というものを見てみたい触ってみたい,弾いてみたい方もぜひどうぞ。うちは基本,楽器はお触り自由です。

 1曲弾けるようになっていってください!
 中国月琴,ギター他の楽器での乱入も可。

 


 弾いてみたい楽器(唐琵琶とか弦子とか)やりたい曲などありますればリクエストをどうぞ----楽譜など用意しておきますので。
 もちろん楽器の取扱から楽譜の読み方,思わず買っちゃった月琴の修理相談まで,ご要望アラバ何でもお教えしますよ。

 とくに予約の必要はありませんが,何かあったら中止のこともあるので,シンパイな方はワタシかお店の方にでもお問い合わせください。

  E-MAIL:YRL03232〓nifty.ne.jp(〓をアットマークに!)

 お店には41・49号2面の月琴が預けてあります。いちど月琴というものに触れてみたいかた,弾いてみたいかたで,WSの日だとどうしても来れないかたは,ふだんの日でも,美味しいランチのついでにお触りどうぞ~!

 現在,お嫁入り先募集中の楽器は57号時不知と60号。
 かなりタイプの違う楽器同士ですが,どちらも音はバツグンです。
 興味ありますれば,試奏がてらにでもどうぞ~。

 

 

 

連山派・梅園派の「哈々調」について

RB013.txt
斗酒庵 贅六の清楽に挑む! の巻2019.1~ 連山派・梅園派の「哈々調」について

 さてまた現在進行中のまとめより。
 そういえばWSではあまりやらない曲ですねえ。
 「哈々調」は別名を「鉄馬行」と言います。これは歌の最初の段に----

  紗窓紗窓外呀。鉄馬児响叮噹。
  姐児聞声睡呀。隔壁王大娘。
  軽移細歩。倒高楼上呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

 と,出てくるところから採ったものですね。この「鉄馬」っていうのを田中従吾軒さんは「風鈴」と訳してます(『清楽詞譜和解』)が,これは「鉄馬兒(ティエマール)」という,満州族の女性の履く靴のこと。
 清楽に伝わっているのは物語のほんのトバ口,導入部のところなんですが,これのもとになっているのは大陸で「紗窓外」もしくは「王大娘探病」と称される俗曲だと思われます。全体の内容としては世話焼きのおばちゃんが,世間知らずのお嬢様の恋患いに首をつっこむお話。性別は逆転しますが落語の「崇徳院」みたいなお話ですね。
 古い楽譜の付点はだいたいこんな感じ----


 中井新六『月琴楽譜』および鈴木孝道『月琴独習自在』は「ハハチヤウ」と中国語読み。平井明『月琴胡琴明笛独案内』には「ほうほうちやう/ハハチヤウ」と二種類の読み方が併記されてますが「ほうほうちやう」っていう読み方はほかで見たことがない。
 たぶん「ハハチョウ」と呼んでいたんだと思います。歌の後半に「哈哈㕽哈㕽哈々々」という繰り返しがあります。ここから出た名前ですね。おそらくはここを女性の高音で,コロラチュオのようにコロコロと転がるように唱えたのでしょう。
 亀齢軒斗遠『花月琴譜』(天保3)ですでに紹介されている清楽のなかでも古い曲です。譜を比較してみると,清楽初期は野郎が多くて声が出なくかったせいか,全体に低音で唱えてたみたいですが,のちに女性が増えてきたおかげで,後半の部分が高音に戻って行ってるようです。
 たとえば,柚木友月の『明清楽譜』の譜(YNK014)は第一楽譜『声光詞譜』と符字順列が一致してますが,その付点からはこんな近世譜が再現できます----

[四--合|四-仩-|工-四仩|工--○|
 工-合四|合-工-|尺---|尺---|]
 上-上-|尺--○|四-四仩|合○工-|
 工-六-|工-尺-|尺工尺-|上-上-|
 尺工上-|四-工-|四仩合-|合-工-|
 合-合-|仩-四仩|四仩合-|合-工-|
 合-合-|仩-四-|工-尺-|--尺-|
 --|
 再現曲

 同じ連山派系なんですが『清楽曲譜』(OKINO_A014)では----

[四--合|四-仩-|工-四仩|工--○|
 工-合四|合-工-|尺--○|尺--○|]
 上-上-|尺--○|四-四-|仩-合-|
 仜-仜-|𠆾-仜-|伬-仜伬|伬-仩-|
 仩-伬仜|仩-四-|工-四仩|合-合-|
 工-合-|合-仩-|四仩四仩|合-合-|
 工-合-|合-仩-|四-工-|尺--○|
 尺--○|
 再現曲

 と,後半の符が1オクターブ高いニンベン付になってますね。

 加藤先生からいただいた『声光詞譜』と長崎歴文の『弄月余音』の付点は,どちらも符音の長さが柚木の例の半分,すなわち無印を半拍としているようです。どちらの資料も付点が完全ではないため単独での読解は不可能ですが,まあどこが長いか短いかくらいの判断材料,参考にはなります。柚木の譜と『清楽曲譜』の譜では1箇所だけ音長が違う(3行の1・2符め)のですが,これはどちらの資料でも長音を示す付点の類は付されていない。平井明の『月琴胡琴明笛独案内』でも符の横に短音を示す傍線が引かれてますので,連山派の伝統的な弾き方では,この部分は柚木の譜と同様になっていただろうと思われます。
 ちなみに渓派の類例では当該の「四仩」部分が『清楽曲譜』のように2分2分になってます。もしかすると『清楽曲譜』が2分2分にしたのは,こうした他派の演奏の影響だったかもしれませんね。

[四-合-|四-仩-|工-四仩|工--○|
 工-四仩|合-工六|尺---|---○|]
 上-上-|尺---|四-四-仩-合○|
 仜-仜-|六-仜-|伬-仜六|伬-仩○|
 仩-伬仜|仩-四-|工-四仩|合-合○|
 工-合-|合四仩-|四仩四仩|合-合-|
 工-合-|合四仩-|五六工六|尺---|
 ---○|(『清風雅譜』SG017「哈々調」)

 連山派の譜で「尺」の4拍が2音となっているところが8拍1音の長音になっているところが特徴的ですね。ただ『清風雅譜』の解説でも述べてるよう,こんな長い音はありますが,これはけっしてこの曲が緩やかなテンポの曲であるためではなく,通常の付点では符音の長短関係が分かりにくかったり拍子がとりにくいような場合などに,曲全体の符音を拡大し教授上「分かりやすい」カタチにしたもの。実際の演奏ではそこそこ軽快に弾かれたものと考えられます。

 さて歌では,高柳『洋峨楽譜 坤』鷲塚『月琴歌譜』中井新六『月琴楽譜』3冊,歌詞対照譜での発音位置は一致しています。鈴木孝道『月琴独習自在』のは例によって発音位置が部分的に異なってますね。下表赤が中井・高柳の版,緑が鈴木の歌詞対照譜によるもの。

 
 
-間-
-間-
-間奏-
-間奏-
 
-間-

 中井らの版が,連山派における標準的なかたちに近いものと考えられますので,これをもとに歌唱を再現してみましょう。

再現曲

1)紗窓紗窓外呀。鉄馬児响叮噹。
  姐児聞声呀。隔壁王大娘。
  軽移細歩。倒高楼上呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

2)飄開錦紗帳呀。一陳噴花香。
  撥開紅陵被呀。小小二姑娘。
  面黄肌痩。不像姑娘呀病呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

(白)二姑娘。你是什麽病呀

3)我也病児是呀。飯也不想吃。
  茶也不想量呀。昏昏又沈々。
  昏々沈々。到了如今呀哈呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

(白)請個医生来。看々病麽

4)請個医生到呀。我也不要他。
  請了医生来呀。迷迷模々
  迷々模々。我也不要呀他呀哈
  哈㕽哈㕽哈々々

(白)請個和尚来。超度超度罷

5)請個和尚到呀。我也不要他。
  請了和尚来呀。乒々又乓々。
  乒々乓々。奴奴心中呀怕呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

(白)請個老娘来。伏侍伏侍罷

6)請個老娘到呀。我也不要他。
  請了老娘来呀。喞々又咤々。
  喞々咤々。我也不要呀他呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

(白)二姑娘你這個病。従何児起的呢

7)要問我的病呀。三月是清明。
  楊柳緑茸々呀。桃花紅噴々。
  王孫公子。出外的遊春呀景呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

(白)王孫公子遊春景。与你什麽相干

8)我愛他呀。白面小書生。
  他愛我呀。紅粉小佳人。
  両人喜愛。到了如今呀哈呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

(白)不怕你。爹々娘々的麽

9)我家爹々爹呀。耳目有昏章。
  我家媽々。耳目也昏呀章呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

(白)不怕你。哥々嫂々的麽

10)我家哥々哥呀。常々不在家。
  我家嫂々。去往娘娘呀家呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

(白)不怕你姊々妹々的麽

11)我家姊々姊呀。早去出嫁。
  我家妹々同我。一様的話話呀哈呀哈。
  哈㕽哈㕽哈々々

1)サア チヤン サア チヤン ワイ ヤ テ マア ルウ ヒヤン テン タン 
  ツヲ ルウ ウエン シン ジユン ヤア ケ ピ ワン ダア ニヤン 
  キン イ スエイ フウ タウ カウ レウ ジヤン ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

2)ピヤウ カイ キン サア チヤン ヤア イ チン ヘン フハア ヒヤン 
  ホ カイ ホン リン ピイ ヤア スヤウ スヤウ ルウ クウ ニヤン 
  メン ワン キイ セエウ ポ スヤン クウ ニヤン ヤア ピン ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

(白)ルウ クウ ニヤン ニイ ズウ シ モ ピン ヤア 

3)ゴウ エヽ ピン ルウ ズウ ヤア ワン エヽ ポ スヤン キ 
  サア エヽ ポ スヤン リヤン ヤア ホン ホン ユウ チン チン 
  ホン ホン チン チン タウ リヤウ ジユイ キン ヤア ハ ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

(白)ツイン コ イヽ スエン ライ カン カン ピン モ 

4)ツイン コ イヽ スエン タウ ヤア ゴウ エヽ ポ ヤウ タア 
  ツイン リヤウ イヽ スエン ライ ヤア ミイ ミイ ユウ モウ モウ 
  ミイ ミイ モウ モウ ゴウ エヽ ポ ヤウ ヤア タア ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

(白)ツイン コ ホウ シヤン ライ シヤウ ト シヤウ ト パア 

5)ツイン コ ホウ シヤン タウ ヤア ゴウ エヽ ポ ヤウ タア 
  ツイン リヤウ ホウ シヤン ライ ヤア ピン ピン ユウ パン パン 
  ピン ピン パン パン ヌウ ヌウ スイン チヨン ヤア パウ ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

(白)ツイン コ ラウ ニヤン ライ ホ ズウ ホ ズウ パア 

6)ツイン コ ラウ ニヤン タウ ヤア ゴウ エヽ ポ ヤウ タア 
  ツイン リヤウ ラウ ニヤン ライ ヤア ツエ ツエ ユウ ツアウ ツアウ 
  ツエ ツエ ツアウ ツアウ ゴウ エヽ ポ ヤウ ヤア タア ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

(白)ルウ クウ ニヤン ニイ チエ コ ピン  ツヲン ホウ ルウ キイ テ ニイ 

7)ヤウ ウエン ゴウ テ ピン ヤア サン エ ズウ ツイン ミン 
  ヤン リウ ロ シヨン シヨン ヤア タウ フハア ホン ヘン ヘン
  ワン ソヲン コン ツウ チユ ワイ テ ユウ チユン ヤア キン ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

(白)ワン ソン コン ツウ ユウ チユン キン イユイ ニイ シ モ スヤン カン 

8)ゴウ アイ タア ヤア ペ メン スヤウ シユイ スエン 
  タア アイ ゴウ ヤア ホン フン スヤウ キヤア ジン 
  リヤン ジン ヒイ アイ タウ リヤウ ジユイ キン ヤア ハ ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

(白) ポ パウ ニイ テイ テイ ニヤン ニヤン テ モ 

9)ゴウ キヤア テイ テイ テイ ヤア ルウ モ ユウ ホン チヤン 
  ゴウ キヤア マア マア ルウ モ エヽ ホン ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

(白)ポ パア ニイ コヲ コヲ シヤウ シヤウ テ モ 

10)ゴウ キヤア コヲ コヲ ヤア シヤン シヤン ポ ヅアイ キヤア 
  ゴウ キヤア シヤウ シヤウ キユイ ワン ニヤン ニヤン ヤア キヤア ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

(白)ポ パア ニイ ツイ ツイ ムイ ムイ テ モ 

11)ゴウ キヤア ツイ ツイ ヤア ツアウ キユイ チユ キヤア 
  ゴウ キヤア ムイ ムイ ドン ゴウ イ ヤン テ ワア ワア ヤア ハ ヤア ハ 
  ハ イ ハ イ ハ ハ ハ

1)睡:渓派の版では「姐兒床上睡(嬢やはベットでおねむ)」となっているので「睡」で良いが,こちらの「姐児聞声睡呀」だと状況が異なる。田中従吾軒は『清楽詞譜和解』でこの前の節からを「風鈴ノ声叮々タルヲ,女子聴キナガラ睡リ居リタリシニ」などと解しているが,「鉄馬兒」は冒頭にも書いたように満州族の女性の履きもの,ポックリ下駄のような靴である。大陸の類例から見てもここは,下駄の音響くのを姐兒が聞いて「誰?」と尋ねるのに「隣の王おばちゃんだよ」と王大娘が答える場面である。ゆえに「姐兒問声 "誰" 呀」が正しい。「聞」(wen2)「問」(wen4),「睡」(shui4)「誰」(shui2)ともに近音である。ただし「誰」「睡」の両語とも方音を含め「-n」もしくは「-ng」の音はないので,「ジュン」は「ジュイ」もしくは「シュイ」の間違いと思われる。再現では修整。
2)一陳:風・香りの量詞は「陣(zhen4)」である。陳(chen2)だと音も意味も合わないが,大陸の唱本でもよく「陳」で書かれている。 紅陵被:「紅綾被」の間違い。赤い掛布団。
4)迷迷模々:正しくは「迷迷摸摸」だが正確には文字のない語なので,これでもよい。
4白)超度:ここではお経を読んで平癒祈願やお祓いをしてもらうこと。
5白)伏侍:=服事もしくは服侍で世話をする,ここでは看病してもらう。
6)喞々咤々:おしゃべりな様子,小鳥のさえずりかわす擬音にも使われる。ピーチクパーチク。

 中井の版では9番以降,歌詞が2フレーズ足りなくなってるので,再現は8番までとします。
 ほかの資料でもこの8番以降は歌詞がグダグダです。
 可能性としては,構成上この7番なり8番以降から曲が短くなってるとか,あるいは時間短縮のためセリフと不完全な唱(メロディの一部をなぞる程度の)との組み合わせになってるなんてことも想像はされます。
 しかし大陸の唱本における類例などから考えるに,これはそもそも物語のトバ口。しかもその出だしの1曲の途中にしかなってないんですよ。雑劇や民間の唱え物においては,この問答を繰り返したところで,お嬢の患いを「恋の病」と見切った王大娘が最後に「おばちゃんにまかせな!」と啖呵を切って終わり,物語が本格的にはじまるのでありますから,長すぎて後ろのほう,口伝がついてゆかなかったとかのほうが分かりやすそうですね。


(つづく)


清楽月琴WS@亀戸 2019年弥生場所!

20190323.txt
斗酒庵 WS告知 の巻2019.3.23 月琴WS@亀戸! 弥生場所の巻


*こくちというもの-月琴WS@亀戸 3月 のお知らせ-*


 はるはあけぼの,ようよう広くなりゆく生えぎわすこしあかりて。
 むらさきだちたる養毛剤の濃くもたなびきたる。
 すべてが萌え生たつ春このごろ。
 …みなさん,あきらめずにがんばりましょう!(何をだ?)

 2019年,3月の清楽月琴ワークショップは,3月23日土曜日の開催予定です!

 会場はいつもの亀戸 EAT CAFE ANZU さん。

 いつものとおり,参加費無料のオーダー制。
 お店のほうに1オーダーお願い。

 お昼下りの,ちょろちょろ開催。
 参加自由,途中退席自由。
 楽器はいつも何面かよぶんに持っていきますので,手ブラでもOK。

 初心者,未経験者だいかんげい。
 「月琴」というものを見てみたい触ってみたい,弾いてみたい方もぜひどうぞ。うちは基本,楽器はお触り自由です。

 1曲弾けるようになっていってください!
 中国月琴,ギター他の楽器での乱入も可。

 弾いてみたい楽器(唐琵琶とか弦子とか)やりたい曲などありますればリクエストをどうぞ----楽譜など用意しておきますので。
 もちろん楽器の取扱から楽譜の読み方,思わず買っちゃった月琴の修理相談まで,ご要望アラバ何でもお教えしますよ。

 とくに予約の必要はありませんが,何かあったら中止のこともあるので,シンパイな方はワタシかお店の方にでもお問い合わせください。
  E-MAIL:YRL03232〓nifty.ne.jp(〓をアットマークに!)

 お店には41・49号2面の月琴が預けてあります。いちど月琴というものに触れてみたいかた,弾いてみたいかたで,WSの日だとどうしても来れないかたは,ふだんの日でも,美味しいランチのついでにお触りどうぞ~!

 現在,お嫁入り先募集中の楽器は57号時不知と60号。
 かなりタイプの違う楽器同士ですが,どちらも音はバツグンです。
 興味ありますれば,試奏がてらにでもどうぞ~。

連山派・梅園派の「紗窓」について

RB010.txt
斗酒庵 贅六の清楽に挑む! の巻2019.1~ 連山派・梅園派の「紗窓」について

 さて,九連環・茉莉花と並んでWSでよく演奏される「紗窓(サアチャン/しゃそう)」についてです。

 工尺譜の詳しい読み解きなんかは,HPのほうに本うpするのを待ってもらいまして,今回は連山派の「紗窓」と,あと渓派の「紗窓」の違いなんかを中心にお話ししましょう。

 「紗窓」という曲は連山派では第一楽譜の『声光詞譜』にはもう載ってますし,よく演奏されたらしいので同派内ではメジャーな曲でした。
 山本有所の『雅俗必携月琴自在』では「紗窓」ではなく「七言絶句」と題されてるとおり,清楽家の間では「漢詩の七言絶句を歌う時の曲」と認識されていたようです。文人趣味に偏ったところのある渓派の清楽家連中がいかにも好みそうなものですが,渓派のほうだと譜は渓蓮斎のお弟子さんたちが編集した『清風雅唱 外編』くらいにならないと出てきません。長崎派の譜集には入ってますんで,それ以前から伝わっていたとはおもうのですが,花井信『清楽指南』(M.25)なんかでも「新曲」の分類に入ってますので,渓派の清楽家にとっては「あまり馴染みのない曲」だったのかもしれません。
 「紗窓」は薄絹のかかった窓,現代中国語だと「網戸」の意味になります。障子紙のかわりに薄い絹布が張ってある,と思えばよろしい。そういう薄布をカーテンみたいに垂らしてある窓もそう呼ばれたようです。
 ほか「砂窓」「沙窓」と書いている例もあります。こちらだと「砂窓」が最近の中国で「すりガラス」みたいなのを表すことがありますが,基本的にイミフですね。「紗窓」というのは,俗曲では女の子もしくは女性の部屋の暗喩で,なかにいるのはたいてい美人です。艶歌めいた曲題なわけですが,歌詞がお堅い七言絶句というあたりになにやら違和感は感じますね。あんがい「紗窓」なんて題で広まっちゃった後,そういうあたりに気が付いて,慌てて字面を変えやがったんじゃないかとも思います。(w)
 連山派の「紗窓」はこんな感じ----

 六--○|六--○|工-上-|尺-工-|
 尺--○|四-仩-|伬-四仩|合--四|
 合--○|工-工-|六--○|工-尺-|
 上-工-|尺--○|四-仩-|伬-四仩|
 合--四|合--○|四--○|四--○|
 四-仩-|四合工合|四-仩四|合--○|
 上-工-|尺-四-|上-工-|尺-四仩|
 合--四|合--○|

 歌詞は基本的に七言絶句ならなんでもあてはまるようになってるんですが,李白の「春夜洛城聞笛」とか張継の「楓橋夜泊」になってることが多いですね。連山派系では2種類の歌いかたがあったようです。

 
(中井)
(鈴木)
 
(中井) 
(鈴木) 
 
(中井)
(鈴木)
 
(中井) 
(鈴木) 
 
(中井) 
(鈴木) 
 
(中井)
(鈴木)
 
(中井)
(鈴木) 
 
(中井)
(鈴木)

 (中井)は中井新六『月琴楽譜』(M.11),(鈴木)は鈴木孝道『月琴独習自在』に基づいたもの。歌詞のかかってない真っ黒な部分は楽器の演奏だけになるわけですが,2行目と5行目で発音のタイミングが異なるのと,最期のほう,シメにかかる直前,鈴木のほうに3音1小節半の「溜め」があるのが特徴的です。

 WSではよくこれと裏曲を合奏する,ということをやっています。清楽で「裏曲」「伴奏曲」と呼ばれるものは,オーケストラのパート分けのようなものではなく,ある曲のために作られたものでありながら,それぞれいちおう基本的には独立した曲として扱われます。同時に演奏した時に「アラ不思議,なぜかぴったり合っちゃうわ!」みたいな感じなんですね。

 「紗窓」には「弄月(ろうげつ)」「露月(ろげつ)」という裏曲があります。「弄月」のほうが少し古く,「露月」のがちょっと新しい曲みたいですね。まずは「弄月」の譜----

 合四仩四|合-工-|○合工尺|上-尺上|
 四-合-|凡合凡合|四-四合|仩伬仩四|
 合--○|工合四-|合-工-|○合工尺|
 上-尺上|四-合-|凡合凡合|四-四合|
 仩伬仩四|合-四-|○乙乙四|乙伬乙四|
 合-四合|工-尺-|上尺工-|尺上四合|
 凡合凡合|四-上合|仩-仩伬|仜-上伬|
 仩-四仩|合--○|

 「露月」のほうはこんな感じです。

 合-合凡|合四仩伬|仜仜𠆾-|伬-仜𠆾|
 伬-伬仩|五凡六六|尺上尺凡|合-五仩|
 合--○|仜𠆾仜仜|𠆾-五-|仜𠆾伬仜|
 仩伬四仩|伬-伬仩|五凡六六|尺上尺凡|
 合-五仩|合--○|四四仩仩|四-仩-|
 四仩四仩|四合工尺|工-合四|上--○|
 仩合仜合|伬仩四合|仩合仜𠆾|伬-四仩|
 合凡合四|合--○|

 「茉莉花」にも「秋風香」と「秋籬香」という似たような名前の裏曲があることを,前回の記事で話題に挙げましたな。あちらには「三曲伴奏スル,尤妙ナリ。」と3曲同時弾きするとキレイ,みたいなことが書かれてましたが,こちらにはそういう注釈は見つかりませんね。
 歌いかたの異なるもの2種類と,裏曲2種類----それぞれを組み合わせて歌付きのファイルにしてみました。聞き比べてみてください。

 再現曲(弄月+中井)
 再現曲(弄月+鈴木)
 再現曲(露月+中井)
 再現曲(露月+鈴木)

 ちなみに渓派の「紗窓」。
 歌詞対照譜が少なく,結局『清風雅唱 外編』くらいしか見つからなかったんですが,こちらのはこんな感じです。

 再現曲(渓派)

間 奏
間 奏
間 奏
 
 

 連山派で全符の長さだった出だしの2音が,半分の2分になっています。あとは3行4小節の「上-工-」が「上-工六」になってますが,歌は「上-工-」で「六」はおそらく楽器で出す音なんだと思います。そして曲尾まで歌詞がかからず,最後の「四合」もまた楽器だけになります。裏曲がないんでテンポは少し遅くしてあります,連山派のにくらべると,ちょっとおとなしい感じがしますね。


(つづく)


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