月琴58号 太清堂(1)

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斗酒庵 宿敵(w)とまみえる の巻2018.2~ 月琴58号 太清堂 (1)

STEP1 一年の計は太清堂

 楽器がとどいたのは去年の暮れでしたが,いろいろあってようやく修理に漕ぎつけました----てか,今年一発目がおまえか太清堂!!
 今年一年…なにやら波瀾の幕開けの予感がいたします(w)

 デザインのセンスがちょっとアレなナゾの月琴作家・太清堂。
 こんな材料でこんな工作なのに,変なところでウデは良く,直ってみるとなぜか無駄に音が良い(w)あたりにも腹が立ちます。とはいえ楽器は鳴らしてなンぼ,鳴ってなンぼ。いくらいい材料を使ってても,丁寧で緻密な加工・工作をしてても,音が悪かったらなーんにも意味がありません----しかしながら----赤いヒヨコ,ぬるっとコウモリ,クギ子さん。なぜか庵主の心をかなりピンポイントで騒がす悩ましき問題作を生み出してきた作家さんですね。

 この楽器。
 ラベルはありません。サイズもふつう。
 量産タイプの国産月琴としては,とくに目立った特徴はありません。

 それなのになぜ「太清堂」の作だと言えるのか----あ,もちろん,いちおう「単なるカン」とかじゃありませんよ。たとえばこのニラミ(胴左右の飾り),右が赤いヒヨコ月琴,左が今回の楽器です。モノはブシュカン。似たようなデザインもほかにないではありませんが,ここまでピッタリ同じのはそうありませんし……何より,見たとたんに微妙にイラッときました(w)からね。

 ナニ,それだけじゃあまだ信じられんとな。
 んじゃあこれを見やがれえぃッ!!!

 ベリベリベリ----

 胴内1枚桁,響き線が2種類。
 太めの真鍮線で長い直線と,斜めのスプリング状構造。
 こんなことをしやがる作家は,月琴界広し(狭いです)といえども太清堂だけなんでィ!!

 ----いや,マジですよ。
 これに近い発想の構造はなかったでもありませんが,この響き線の構造は,この作者の楽器だけに見られるきわめて 独創的なものです。

 唐木屋のように複数の作家が一つのブランド名のもとで製作していたと思われる場合をのぞいて。この響き線の構造というのは,それぞれの作家で独特の癖やこだわりがあるもので,ごく単純な直線一つであっても,線の太さや基部の工作,向きや角度など「見れば分かる」レベルで違いがあります。ですので,外見がどんなに似てても,響き線を見れば,少なくともいままで扱った作家の楽器かどうかくらいは分かっちゃうくらいなのです。
 もともと,日本の伝統的な楽器にはなかった構造ですので,職人さんたちも戸惑いながら,自分の思う最善のカタチをいろいろと摸索したのでしょうが,この太清堂の響き線はそのなかでも優れた構造で,効果も使い勝手もよろしい。月琴の響き線の極致に登りつめてる,と言っても良いくらいです。とくにこの,短い直線とスプリングを組み合わせた構造のほうは,庵主もエレキ月琴・カメ琴で試したり,胡琴や明笛に仕込んで悪戯してみたりしてます。
 どんな狭い空間でも仕込めて,けっこうな効果がありますからね。

 全長:630
 胴:縦350,横352,厚35(板厚3.5)
 有効弦長:420

 やや小ぶりな楽器です。
 「太清堂」などと,いかにも唐物っぽいメーカー名。棹背の曲線や,棹と棹茎が同じ幅になっているあたり,また内桁が1枚だけなんてところは,いまだに唐物月琴の影響を色濃く残しています。しかし楽器自体から言えば,内蔵されてる響き線の例から見ても,琴華斎のような「倣製月琴」(唐物楽器のコピー)からすれば,一歩も二歩も進んでる楽器だと思います。
 庵主だけでもこの10年あまりで4面も扱ってますし,ネオクでもけっこう見かけるので,けっこうな数作ったヒトなんじゃないかと考えてるんですが----いまだにその正体,どこの誰だがは分かりません。

 蓮頭と糸巻が1本欠損。

 棹上がちょっと面白いことになってますね。山口のところに三角形に削った木片,1・2フレットは高さが逆で,オリジナルの山口は,第3フレットのところになぜかへっつけられてます。
 ナニをしたかったんだろうねえ? これをへっつけたヒトは。

 あと棹で気が付いた点として。いままで修理した赤いヒヨコ,32号,40号の棹では指板が山口の手前で切れ,段になっていましたが,この楽器の指板は糸倉の根元のところまできっちりあり,しかもけっこう厚めです。またこうした場合,ふつうは糸倉のアールに合わせて先端の木口のところを斜めに削ったりしてるものですが,こりゃ板のまんま,ズバボンと直角に切り落とされてますね。

 胴表面,けっこうヨゴれてますが,それでもまあ,木地がしっかり見えてるていど,水濡れやムレ痕もさほどありません。表板左がわビッと割れが入っている他は,胴の天地の板(側板)表裏にハガレが数箇所。裏板の右下あたりに虫食いとおぼしき小孔が数個ありますが,板の表面からつついてみてもズブッといかないとこから見ると,さほど深刻なものではないようです。
 胴上のフレットに番号がふってありますね----音階か,それとも組み立てる時につけた目印か。 ここのも含めて,フレット材質は骨か象牙だか,ヨゴレもひどくて今の段階では何とも判別がつきません。
 太清堂の楽器は,ほかの国産月琴に比べると,胴上のフレットの長さの差がそんなにありません。石田義雄の月琴など関東の楽器では,第6フレットが顕著に長くなってますが,関西の楽器ではそれほどでもないんですね。国産月琴の元となった唐物の楽器でもほとんど同じような長さになってますから,ここでも太清堂はやはり唐物や倣製月琴に近い,古いタイプの形態を残しているということですね。

 半月に余計な糸孔が2つあけられてます。
 これも良く見かける後世の加工で,6つの孔ぜんぶに糸を通してあった例もあり,糸巻は4つなのにナニをしたいんじゃい?----と考えてたこともありますが,これは永田さんのご指摘のように,4弦2コースの複弦を,4本の弦がそれぞれ違う4単弦にしようとしたんでしょうね。
 清楽月琴は4弦2コース。弦は2本づつ同じ音で,出せる音も基本的には13コしかありませんが,4本の弦をそれぞれ違う音にチューニングすれば,音数は格段に増えます。ただチューニングだけ変えても,そのままの構造だと1・2弦と3・4弦の間がせまくて弾き難いので,弦の間隔が均等になるように糸孔をあけなおしたんでしょう。
 半月のポケットの中に,細い金属弦の断片に,おそらくは釣りのカミツブシ(鉛製の小さな錘)を使ったとおぼしき,小さな丸いストッパーがついたもの残ってましたので,さらには金属弦を使ってみもしてたみたいです。楽器の材質・構造からするとあまり誉められた行為ではありませんが,なかなかのチャレンジャーですね。

 あとは前の所有者か古物屋さんによると思われるボンド付けの痕なんかも見られますが,古物の月琴としては,損傷も欠損部品も少なく,保存状態はまずまず上等なほうといったとこでしょうか。

 寸法などの詳細は,今回もフィールドノートをどうぞ~。(画像クリックで別窓拡大)

(つづく)


月琴WS@亀戸 2018年2月場所!

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斗酒庵 WS告知 の巻2018.2.24 月琴WS@亀戸 ころきさらぎの月の琴弾け の巻


*こくちというもの-月琴WS@亀戸 2月場所 のお知らせ-*


 1月は庵主,雪かき帰省のためお休みさせていただきまあす!!

 歳の変わって2018年,第一弾は本年最初の清楽月琴ワークショップは,2月24日,土曜日の開催予定。
 会場はいつもの亀戸 EAT CAFE ANZU さん。

 いつものとおり,参加費無料のオーダー制。
 お店のほうに1オーダーお願い。

 お昼下りの,しるぶぷれ~な開催。
 参加自由,途中退席自由。
 楽器はいつも何面かよぶんに持っていきますので,手ブラでもOK。

 初心者,未経験者だいかんげい。
 「月琴」というものを見てみたい触ってみたい,弾いてみたい方もぜひどうぞ。うちは基本,楽器はお触り自由です。

 1曲弾けるようになっていってください!
 中国月琴,ギター他の楽器での乱入も可。

 もちろん楽器の取扱から楽譜の読み方,思わず買っちゃった月琴の修理相談まで,ご要望アラバ何でもお教えしますよ。

 とくに予約の必要はありませんが,何かあったら中止のこともあるので,シンパイな方はワタシかお店の方にでもお問い合わせください。
  E-MAIL:YRL03232〓nifty.ne.jp(〓をアットマークに!)

 お店には41号と49号の2本の月琴が預けてあります。いちど月琴というものに触れてみたいかた,弾いてみたいかたで,WSの日だとどうしても来れないかたは,ふだんの日でも,美味しいランチのついでにお触りどうぞ~!

 月琴の楽譜はHPのほうで常時公開しております。「月の琴>明清楽復元曲一覧」からご自由にDLしてください。
 インストのみの基本楽曲版と歌入り曲の版,2種類。どちらもPDFにしてありますので,モバイル,パッドの類で閲覧するなり,コンビニで印刷するなりしてご使用あれ。


 月琴57号「時不知」は引き続きお嫁入りさき募集中!!
 ご購入をご検討の方はこの機会に試奏してみてください。

 さてさて,昨年は雪かきに帰ったものの庵主のおる間,雪はちィとも降らず,こっちィ戻ったとたんにどばッと降り。役立たずだの何のために帰ってきただの(w)言われましたが今季はどうなるか。
 帰って来たら少し暖かくなってるといいなあ~。ではみなさん来月までお元気で!!

ナゾの清楽器(w)3

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斗酒庵変テコ清楽器の旅ナゾの清楽器3-3つの Gekkin-(w)

 Alessandro Kraus "La Musique au Japon"(1878)初版には,
 「Guekkine(月琴)」と称する楽器が,3種類も紹介されています。
 まずはクラウスさんの解説をうかがいましょ----

Guekkine fig.13
月琴属の楽器は人気があり,我々のギターと同じくらい広く爪弾かれている。もとは中国から渡ってきたもので,fig.13 に示した細長い4本弦の「ゲッキン」は,中国のピパに似た形状だが,内部には弦音に共鳴するような鉄片が仕込まれており,寸法も異なる。フレットも8枚しかなく,4枚がネック上,残り4枚が共鳴胴の上に配置されている。この4弦の「月琴」は全長655,横幅は最大で223,最大厚は36,複弦で,ナットからブリッジまでの弦長は430。中国の楽器がだいたいみなそうであるように,糸倉頂上にはとても大きな飾りがついている。

Guekkine fig.11 
 fig.11 に示した円形胴の「ゲッキン」は,胴内にリゾネーターが仕込まれており,形も中国のものとほとんど同じだが,フレットは8枚しかなく,棹もやや長くなっている。共鳴胴は円形で,三日月形の装飾が2つ付けられており,直径は350,厚みは36,楽器全体の長さは670,ナットからブリッジまでの弦長は430である。
 中国からはこのユエチン(Yne-Kin),日本でいうところのゲッキンという名前の起源が2説伝わっている。
 その一つは,中国の武則天の時代(684-705 AD)に,蜀の男が墓の中で,銅で作られた誰も知らない弦楽器を見つけ,月のように丸かったので,「月の琴」-すなわち「ユエチン」と名付け,その楽器を元に木で作ったものがはじまりだというもの。
 別の伝説によると,それは「竹林の七賢」の一人として有名な阮咸(Ynen-hien)の墓の中で発見された,テラコッタのギターに由来するとされる。日本のゲッキンはその偉大なる男の名前を継いだ楽器で,誉あるその名のもとに,単なる弦楽器としての域を越え,偉大なる音楽器として愛されるに到ったのだという。

Guekkine fig.12
 fig.12,6弦の「ゲッキン」は,ひとつ前に述べたゲッキンとほぼ同じで,弦が6本あるところのみ異なっている。6本の弦は3つのペアになっており,フレットは棹に8つと共鳴胴に8つ,つごう16配置されている。全長は745ミリ,ナットからブリッジまで間隔(有効弦長)は466ミリである。

  **原書p.70-72より 庵主訳出**

 いちばん左の「ゲッキン」は----うん,まぁこりゃ,わたしたちの知ってる「月琴」ですね。ニラミが三日月になってますが,これはおそらく琵琶の半月(三日月型ですがこう言う--メンドくさいww)をへっつけたものでしょう。
 大昔の西洋の本や和漢三才図会に載ってる「月琴という名前の楽器」あるいは「月琴みたいな楽器」に,こういう琵琶風のサウンドホールのついてるものがありますので,古物屋としてはそういうモノに近づけたかったのかもしれません----「ぜんぜん知らない楽器」より,「ほらこれ…この古い本に載ってる楽器がコレですぜ!」の,ほうが高く売れますので,ぐえっへっへ。(元古物屋小僧,悪い顔をする)

 真ん中の琵琶型楽器は,サイズ的にも見かけ的にも中国で弾かれている「柳琴」に似てますが,このころの柳琴は2弦か3弦の楽器だったようなので,4弦2コースというあたりに少し疑問はありますが。フレットが8枚で配置も月琴と同じになってるとこから見ると,それこそ当時の柳琴か子供用の琵琶を改造したものかもしれませんね。

 6弦の月琴については詳細不明。6弦3コースですから三味線の複弦みたいな感じでしょうか,あるいは唐琵琶の低音側3本,C/F/Gみたいになってたかもしれません。
 『音楽取調成績申報書』(明17 p.307)に,今の文部省にあたるお役所が,月琴を改造して教育楽器とするとし「其絃数ニ一絃ヲ加ヘ」た楽器を作ってみた,とか書いてあります。図面も実物もお目にかかったことがないので,この楽器以上にナゾではあるのですが,これが1単弦を付与して5弦にしたではなく,1コースを加えて6弦にしたのだったらこの類に当るかもしれません。
 そのほかこちらがわの資料に,これに該当するような楽器は見当たりませんが,8弦の楽器だと「雲琴」というものが,いくつかの楽譜集の口絵に見えます。明治のころに考案された楽器で,要は月琴を複弦化して大きくした,みたいなもののようですが,実物にはいまだお目にかかったことがなく,文献上もこれが演奏に使われたというような記事は見つからないので,試作されたていどか,あるいは絵図上のお餅楽器だったのかも。

 ピゴットさんは自説として 箏>月琴>琵琶 という発展図を描いていたようで,箏>月琴 の中間楽器として前回紹介した "Nichin" をあげてます。さてこの fig.13 の楽器あたりなんかは 月琴>琵琶 のミッシング・リングとして最適と思われますが,どうやら?(そこまで精読してないので不明ww)
 また上に紹介したように,クラウスさんの本には 阮咸>月琴 という通説は出てくるものの,楽器の「阮咸」それ自体については触れられていません。図もないので持ってなかったのでしょう。一方,前々回のお話でも少し触れたように,ピゴットさんの本ではこの「阮咸(Genkwan)」が,Gekkin,Ku,Shunga,Shigen という「月琴とその愉快な仲間たち」に加えられているわけですが,彼はこれを通説とは逆に 「月琴から派生した楽器」 として紹介していますね。
 まあ当時の流行具合を考え,また清楽において月琴がメイン楽器とされていたことからも,こっちを主体と考えたのでしょう。中国の文献において,この八角胴長棹の楽器が「阮咸」と書かれている例は寡聞にして知りませんが,日本でこの楽器が「阮咸」の名で呼ばれたのは「清」楽の前の「明」楽で,この楽器が「月琴」と呼ばれていたことに起因するものでしょう。日本における明楽の成立自体は,明という国がぶッ潰れてからずいぶんと過ぎたあたりなので,これは別段「明代にこの楽器が月琴と呼ばれていた」ことを指すわけではなく,明楽の連中が当時たまたま手に入った清の楽器を使ったという程度のことだと,庵主は考えています。前々回も書きましたが,清の乾隆年間(18世紀)くらいまで,少なくとも清朝宮廷内で「月琴」というのは,モンゴル音楽に使われていたこの八角胴長棹の楽器でしたので。
 清楽の連中はまあそういう歴史的なことに関係なく,類書・文献からの牽強付会で「(唐宋の時代の)阮咸は月琴とも呼ばれた」というあたりから,「阮咸は月琴の古称である」>「月琴の前に月琴だった楽器だから阮咸」 みたいにつなげていったのだと思います。ほかに適当および的確な起源説が見つからなかったとはいえ,けっこうな有名人までこれを提唱したもんですから,馬琴さん周辺のなんでも学者さん以外はその通説に疑問も持たなかったんでしょうなあ。
 阮咸>月琴 説への反駁については以下等も合わせてご笑覧ください,にゃむにゃむ----
 月琴の起源について(1)~(3)「阮咸編」
(おわり)

ナゾの清楽器(w)2

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斗酒庵変テコ清楽器の旅ナゾの清楽器2-Nichin-(w)

 さて,西洋資料珍楽器の旅は続きます。
 まあ,今回の楽器は正確にはぜんぜん「清楽器」じゃあありませんが,「月琴」に関わってきちゃった楽器なもので,とりまご紹介をと。
 前回も紹介した明治のお雇い外国人,法律家の F.T.ピゴットさんの本に,こんな一節があります。

 The Gekkin may have preceded the Biwa, but the dates vouchsafed to us by the books do not afford any reliable guide: the only visible link between the two groups is the circular Koto, the Nichin, which very probably suggested the circular body of the Gekkin.

 月琴は琵琶より古いものなのかもしれないが,その年代を書中に見つけようにもよい参考書がない。見た目だけから言えば,月琴を暗示させる丸い胴を持っている "Nichin" が,唯一その琴と琵琶の二つのグループをつなぐものである可能性がきわめて高い。

 "The Music of the Japanese" (1893 F.T.Piggott)p.165 'Japanese musical instruments'より

 薩摩琵琶や筑前琵琶に関しては,その楽器としての完成は,月琴の渡来時期よりも後になりますので,「月琴のほうが古い」という説は当ってます----楽琵琶とか平家琵琶だと負けるけどね~。前にも書きましたが,いまわたしたちが「月琴」と呼んでいる,棹が短くて円形胴の楽器が確認できるのは,どう早く見積もっても17世紀か18世紀以降にしかなりません。唐宋のころの「阮咸」から「月琴」が派生した,なんちゅうのは,どこぞの三流文人あたりがひねくりだした牽強付会の駄法螺でしかありませんし,だいたい清朝の宮廷では,乾隆年間にはまだ「月琴」というと,清楽で「阮咸」大陸で「双清」と呼ばれている長棹八角胴の楽器でしたしね。
 日本の楽器はさまざまな地方からの寄せ集めみたいなものですから,AがBになってCが出来るみたいな系統進化はありませんし,そもそもボックス・ハープである箏とリュート属の琵琶,そしてスパイク・リュートの仲間である月琴は,その起源も系統も全く異なるものであって一元的には解釈できないものではあるのですが----

 ま,そのあたりは今回置いときまして。
 上に引いたピゴットさんの文にある "Nichin" という楽器がこれです----

 fig.24 の "Nichine" は円形のプサルテリーに属する楽器で,様々な太さで色の違う6本の弦が張られている。第1弦は,他のものよりずっと太く,黄色で,力強い低音を発し,2弦は薄い青,5弦は黒く6弦は白である。これらの6本の弦は,木製のペグに取り付けられ,32センチ離れた2本のブリッジを通過している。このペグは小さな木製のキーで回すことによって調弦される。"Nichine" は直径39センチ,その側面の高さは4センチである。
 内部には小さな鉄片が仕込まれている。この鉄片の仕掛けは日本の楽器では一般的に見られ,楽器を揺さぶって音を出すのに使われる。

"La Musique au Japon" by Alessandro Kraus
  1st.1878 p.67-68 より訳出。

 ピゴットさん,この楽器を「琵琶・月琴属と箏をつなぐミッシング・リング」みたいな扱いで,ほか2箇所ほどにも類証で使ってるんですが----

 いやこれ,どうみても壊れた月琴の胴体を使った,リサイクル楽器ですよね?(汗)

 フランス語の "Nichine" が英語で "Nichin" になったわけですが,もとは「二琴」ですかね「日琴」ですかね,あるいは中国語で「あなたの琴(ni-chin)」と言っているのかも知れませんが,庵主的には2番目の「日琴」を推します----「月」琴から作ったので「日」琴,出まかせ的には申し分ない(w)まあ,いまの普通語(中国語)で「r」ではじまる発音を,西洋では昔「j」もしくは「n」で表記していたこともあるので,中国語で「日琴(ri-qin)」そのまんまかもしれません。前回も書いたように,クラウスさんのこの本には,これもふくめて本当に「日本の楽器」なのかどうかがアヤしいものもかなり含まれてますからね。
 青い糸はたしか八雲琴で使われますね。黒ってのは何かな?八雲琴には紺・緑という組み合わせもあったようなので,片方が色薄くなればそれかも。黄色は琵琶でも三味でもお琴でも,白は月琴でしょうかね。庵主はお三味の黄色い弦を使ってますが,むかし売られていた専用弦は白だったようです。おそらくはこのお糸からして寄せ集めだったのでしょう。
 またこの粗い画像からでも,フレットか半月の剥離痕じゃないかというような箇所が,上下ブリッジのあたりに見られますしね。
 直径が39センチ,というあたりが月琴の標準を超えてる(ふつうは35~6センチ)んですが,画像をもとに,ブリッジ間を32センチとして計算してみますと,どうやってもそんなに大きくはならない。むしろ36センチくらいですので,この部分は植字工が数字の上下ひっくり返しちゃったのかもしれません(w)胴の厚み4センチは月琴の胴の標準的なサイズです。
 だいたいが胴体内部に響き線----クラウスさんは「日本の楽器では一般的」とかほざいておりますが,そうでないのはみなさんお分かりの事(ですよね)。そもそもこの「響き線」という内部構造は,当時流行っていた清楽の楽器,とくにその国産楽器では一般的な仕掛けだったのですが,ほかの和楽器にはたいして波及していません。前に書きましたが,日本ではメイン楽器の月琴に仕込まれてたもので,日本の職人さんが勝手にほかの楽器にもぶッこんじゃったようなのですが,この構造をもつのは中国でも月琴くらいで,阮咸にあたる双清や弦子には仕込まれていません。

 前から思ってたんですが……いやあ,音楽とか楽器の研究者さんって,ゲージツに関わってるだけにみんな純情なんだなあ----と,汚れちまった悲しみにどッぷりと漬かっている元古物屋小僧の文献系研究者は,しみじみ思ったのでした。(w)
(おわり)

ナゾの清楽器(w)

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斗酒庵変テコ清楽器の旅ナゾの清楽器-Ku,Shunga,Shigen-(w)

 「月琴」という楽器が日本で大流行していたのは「文明開化」と呼ばれた明治の御代。幕末期に閉塞していた文化が,開放された諸外国との交流と,激動する世界情勢からの強烈な刺激とで,一気に,爆発的に展開していった時代でもあります。
 それと同時に,いや実際にはそのちょっと前からなんですが,日本から出ていったウキヨエージャポーン(漆工芸品)なんかをきっかけに,向こうでもこの日本という国に対する関心が高まっておりまして,西洋の新聞や雑誌なんかにも時々,日本を紹介する記事が載ったりもしておりました。
 そういう記事の中には当然,その時代にちょうど流行っていた「月琴」や「清楽」についての記事が含まれてたりするわけですな。まあたいがいは,フジヤマー見ながら遊んでた時に,ゲイシャーが弾いてくれたとかいう程度のものなんですが。中にはたまーに,かなりつっこんだ研究や,日本の資料のほうにまるで残ってないような記録が隠れてたりしてるんで,庵主,そっち方面もけっこう調べて回ってます。いや正直,江戸時代の草書体の本よりは,英語やフランス語の資料のほうが解読速いんだよねワタシ。(ちな,庵主の卒論は Mother Goose についてのものでしたし,初めて翻訳した本もアメリカ人の牧師さんが書いた英語の本でした----中国学科出身ですがwww)
 今回はそんな西欧の文献で見つけた楽器のお話----
 ある時,そんなフジヤマーな記事を検索していたら,こんな文章にぶちあたりました。
 ("The Music of Japan" by Arthur Elson :The Musician.1904. より)

ゲッキンはバンジョーに似ているが4弦でネックがとても短い。これもまた象牙もしくは鼈甲製のピックで弾かれる。ゆるく固定されたピアノ線が内部に仕込まれており,それがシャラシャラと鳴って趣のある効果を出すのだ。ゲッキンは主に軽めのしっとりした歌の伴奏に使われているが,ゲンクヮンクーという同類の楽器も同じような流儀で使用される。シゲンもこれらと同じような形状の楽器だが,これにはフレットがない。
*この前にシャミセンの紹介があるので,そのバチからの流れと思われる。

 まあ gekkin(ゲッキン) が「月琴」,genkwan(ゲンクヮン) が「阮咸」だろう,というあたりは問題もなく間違いもないんですが----これらと「お仲間」みたいに書かれてる,この Ku(クー)と Shigen(シゲン),ってなぁに?----清楽器だとしたら,日本の文献ではついぞお見かけしたことがありませんが……

 同じ名前の楽器がこれと同じ順番で,この2年後,1906年に発表された "Japanese Music and Musical Instruments"(by Randolph I.Geare 1906.12 The New England magazine.)にも見えますな。

ゲッキンは「小琵琶」とも「月形琴」とも呼ばれる。日本で最も弾かれている中国楽器である。これから派生した別の中国楽器にゲンクヮンというものもある。小さなプレクトラムで弾くのだが,それには長い絹紐と房飾りが付けられている。ゲッキンとの違いは主にその胴が八角形であることと,棹がとても長いことである。このゲンクヮンに近い楽器としてクーというものもある。胴が円形なのと,華やかに金彩で装飾が施されてているところが異なる。また,より古くから弾かれている楽器にシュンガというものがある。これはプレクトラムではなく指で弦を弾いて弾く……


 中国や日本の文献では「ゲッキンからゲンクヮンが生じた」のではなく「ゲンクヮンがゲッキンになった」のが通説となってますが,まあそもそもが古い文献から牽強付会された根拠のない起源説ですんで気にしない。(w)月琴の異名として "miniature-biwa","moon-shaped koto" というのが紹介されてますねえ----九州だかの博物館で展示品の月琴に「月琵琶」とプレートに書かれてた例があったんですが,ほかで聞かないところをみると案外このあたりをごっちゃにした誤解だったかもですね。"gekkin", "genkwan", "Ku" に続いて Shunga(シュンガ)という,これまた聞きなれない名前の楽器がさらに加わっています。

 さらに探っていくと, James Huneker さんという人の "Melomaniacs"(1902) という,小説やらエッセイやらよーわからん小品集,世界中の楽器が入り乱れて大合奏!みたいなシーンがあるんですが,そこでもこんな一節を見つけました----

Then followed the Biwa, the Gekkin snd its cousin the Genkwan; the Ku, named after the hideous god; the Shunga and its cluttering strings;

これに続くはビワ,ゲッキン,そしてその親戚のゲンクヮン,畏き神の名を襲いしクー,さらにシュンガまたけたたましき弦音響かす…

 おおぅ…いかにもなんか中二病っぽい文章。(w)
 "Ku, named after the hideous god" って----「クー」なんてカミサマ,日本にいたか? ケルトか何かの天空神に,たしかそういう名前の女神さまがいたような気はする。
 ちなみにこの本,いま読んでもイマイチどこが良いのかはよく分からん(すんません)のですが,当時はそこそこに売れて評判になったらしく,人気の役者さんが朗読会で読みあげたりしてるみたいです。
 それはともかく,月琴と阮咸以外の知らない2つの楽器がここにも出てきてますね----しかも順番まで同じ。こいつらはいったいどこから紛れ込んで,月琴やら阮咸やらと同類の楽器みたいな感じになっちゃってるんのだろう----と,似た内容の記事を検索して追跡していったところ,Louise E.Dew という人が1900年に書いた "Musical instruments of Japan" 1900.3 "Music")という記事にたどりつきました。

The ku is an instrument similar to the genkwan, but with a circular body. It differs essentially from all other instruments of its class, being richly ornamented with gold lacquer designs. There are four strings and nine frets, but they are not tuned in pairs like those of the gekkin. The shunga is a very ancient instrument which resembles the kokyu in the construction of its body, but with five frets on a neck slightly shorter than that of the gekkin. It is strung with four strings, one much thicker than the rest. It is played by plucking the strings with the fingers instead of a plectrum. As in the case of the ku the strings are not strung in pairs.
The shigen lies midway between the two groups of instruments----that is, those with frets and those without. In construction it is allied to the gekkin, being somewhat larger, and having an octagon body like the genkwan. It also has the vibrating wire, but no frets.

クー はゲンクヮンと同類の楽器だが,胴体は丸い。ほかの楽器と違って洗練されており,金色のニスによる数多くの装飾で彩られている。4本の弦と9つのフレットを持つが,ゲッキンと違って複弦にはなっていない。 シュンガ は胴体の作りがコキュウに似ているが,非常に古くからある楽器で,ケッキンよりわずかに短い5つのフレットのついたネックを持ち,4本弦だが1本だけがほかより顕著に太くなっている。これはプレクトラムの代わりに指で弾いて演奏される。またこれも Ku 同様,複弦にはなっていない。
シゲン はこの分野におけるフレット楽器とフレットレス楽器の,ちょうど中間にある楽器と言えよう。構造的にはゲッキン ほぼ同じだがやや大きく,胴体はゲンクヮン同様に八角形となっている。ピアノ線の振動体は仕込まれているがフレットを持たない。

 原文と訳文は途中からになってますが。全体の流れからも,この前のゲッキンに関する部分に "miniature-biwa","moon-shaped koto" という異名が記されているあたりからも,Randolph I.Geare さんとかの記事の内容が,ここから引き写されていったものだろうというくらいは容易に想像がつきます。

 しかし,まぁ…ふむ,なるほど…たしかにこの書き方だと確かにクーシュンガシゲンも,「ゲッキンとゲンクヮンの愉快な仲間たち」と読めなくもありませんな。(w)

 しかしながら実のところ,このデュウさんの記事のこの部分は,イギリス人のF.T.ピゴットさんという人の書いた "The Music and Musical Instruments of Japan" (1893)という本からのほぼまるっと引き写し----今風に言うところの「コピペ」なんですね。

  F.T.ピゴットさん(Francis Taylor Piggott 1852-1925)は,法律の専門家として日本に招聘され,伊藤博文の法律顧問,明治憲法の草案作りにも参画した方。音楽やら風俗の研究家としても業績を残しております。
 専門は法律とはいえ,本の内容はけっこう専門的で確か,庵主も以前にさんざ参考にさせてもらったくらいで,そう妙なことは書かんはずだ,と思ってましたので原典を再読してみますると,くだんの箇所には「ビワおよびゲッキンの仲間である以下の楽器についての記述,フランスの M.Kraus の本による----」という但し書きがありました。  「M.Kraus」ってのが「ムッシュー・クラウス」(クラウスさん-フランス人だもんね)だということに気が付かず,頭文字がMの名前ののヒトだと思い込んで多少手間取りました(w)が,明治のころの音楽研究者の「クラウスさん」で,日本について書いてる人,という筋でたどっていきましたら,いたよ,いましたよ,この人,この本ですね。

 Alessandro Kraus(1853-1931)
   "La Musique au Japon" (1st. 1978)

そしてその本をめくっていったところ,巻末の図版に----おおぅ,これは……はじめ記事の中に名前だけ見つけたときは 「"Ku"…"空" かいな?--悟ってどうする! "Shunga" だぁ?--エロい!いやそりゃ"春画"だろ!」 と一人ツッコミ入れるぐらいで,正直「実在する楽器」とすら考えてなかったんですが,図版の中にはたしかにそれらしい楽器の写真が………「クー」「シュンガ」も,いちおう存在してたみたいですね!少なくとも本の中的には。(w)
 名前からも分かる感じではありますが,ちなみにクラウスさんはフィレンツェの生まれ,本はフランスで出されてますが「フランス人」ではなく正確には「イタリア人」ですね。
 この本自体と著者の来歴もちょいと調べましたが,このクラウスさん。親子二代にわたる楽器コレクターで音楽研究家ではありますが,これ以前に実際に日本に来たことがあるわけではないようです。楽器の解説を見ても,沖縄の三線が朝鮮のシャミセンになってたり,「ミンテキ(明笛)」が尺八の類になってたり,どう見ても明らかに日本の楽器じゃなさそうなモノや,ほかで見たことも聞いたこともないような珍楽器が出てきたりと,まぁかなり愉快なところもたくさんありますね。
 シノアズム・ジャポニズム盛んなりし当時西欧の流行に乗ってか,この本は10年ほどの間に10版ほども再刷されてまして,版により図版が少しづつ違ってたりしています。また古い写真なもので図版中の楽器の番号が読み取れない部分も多く,本文の記述と照らし合わせながら楽器の画像を同定していった結果が以下----

 まず Koo(=Ku),全長:110cm。これは沖縄の御座楽で使われ,現在名古屋の徳川美術館に所蔵されている「長線」とほぼ同様の楽器のようです。徳川美術館の楽器は寛政年間に江戸上りの琉球の使節から尾張徳川家に献上されたものですが,さて,こちらはどのような経路で海外に流れたものやら。寸法や全体の形,装飾なども酷似しています。
 庵主はこれを,御座楽にしろ琉球の宮廷楽にしろ,演奏するための楽器として常用されていたものではなく,献上品として----なかば置物・装飾品な贈答品として作られたものではなかったかと考えています。「月琴」でも結婚式の引き出物としてデコったものを贈る例がありますので,あれと同様の意味合いを持つものかと。これはおそらく,古いタイプの「阮咸」(清楽の月琴・阮咸とは関係のない古代楽器)を模したものだと思われます。正倉院に残っているような唐宋時代の「阮咸」は,大陸でも明代にはほとんど滅びていたようなのですが,竹林七賢図などの絵画などに描かれたそういう楽器を,風雅な文人趣味的玩弄物として復元製作した例がいくつか見られ,これらもそうしたものの一つと考えます。
 また「長線」という名前はこの徳川美術館所蔵の楽器以外,文献の上では,大三線--大陸で言うところの「大弦子」(棹の長い大型低音の弦子)を意味する言葉で,琉球使節関連の古図にもそういう楽器として描かれている例が残っています。徳川美術館の楽器はおそらく,オリジナルの箱が破損したかして,間に合わせにサイズの合う「長線」の箱に入れられた,というような事態でもあったのでは?などとも庵主は考えてますよ。

 ちなみに上がクラウスさんの本にある Chosene(=長線)棹の長さだけで1メートル20センチの大物です。ここまで長くはありませんが,同類の楽器は清楽でも使われてました。これは特大ですが,このくらい長いともちろん,腕は棹のてっぺんまで届きません。だいたいの場合は棹の途中にギターのカポタストのような弦枕をしばりつけ,調子を調整して使用します。一人が棹を持ち,もう一人が少し離れて胴のところで弦を弾く,という弾き方もあったようですね。

 つぎに Schounga(=shunga),全長60センチ----あ,こりゃ正直まったく分かりません。(w)ただ少なくとも日本の現行の楽器にこれっぽいものはないようですね。寸法から言っても全体に胡弓みたいな感じですが,月琴か阮咸の壊れた棹を適当な箱胴につっこんだように見え,皮張り胴にこのブリッジとフレットだと,工作的にちゃんと音が出るか,この寸法とフレットそしてバランスで,果たしてまともな演奏が出来るのか,楽器職としては疑問がないでもありません。
 だいたいが Koo にしろこれにしろ,日本語的に名前がおかしい。日本語の語彙の中で一音節の楽器,てのはあんまり例がないですし,Schounga のほうも,音から連想されるのは上にも書いたように「春画」ぐらいなもの。ショグーンがデデイワって名前だったりする世界と近しいものを覚えます。

 そして Schiguene(=shigen),全長90センチ。 名前だけに関して言えばこれはまだ理解が出来ます----おそらくは「四弦」なんでしょうね。これもまた現行の日本の楽器に似たのはありませんが,八角胴の阮咸や月琴に類する楽器を「四弦」とか「四線」と呼ぶ例は琉球の御座楽ほか中国南方の少数民族にもあります。フレットレスになってますが,もとからこの状態だったかについては多少疑問がありますし,もし本来はフレット楽器だったとすると,「碗碗腔月琴」をはじめもしかしたら,と思われる近い楽器はいくつか思いつきます----まぁもっとも,どれも「日本の楽器」でも「清楽器」でもありませんが(w)
 楽器の部分に関する限り,クラウスさんはどうも古物商とか楽器屋の言った事,ほぼ鵜呑みにしてそのまんま書いちゃってるみたいですね。
 庵主が毎度言ってるじゃあないですか!
 古物屋稼業なんてそんなもんなんですから,マトモに信じちゃいけませんよぅ!!と。(^_^:)

 どう考えても調べても,これらのうちのどれ一つ,月琴や阮咸とタメを張れるほどポピュラーな日本の楽器だったとは思えません。もし実際に使われたことがあったとしても,それは個人レベルでどっかの人がたまたま創作しちゃったモノだとか,日本人がどっかの国の珍楽器を入手して一時的に弾いていたとかいう程度じゃないかな。
 そもそも,先に紹介したピゴットさんが「クラウス氏の本に出てくる楽器」とことわりを入れて引用し,文章は原文ほぼそのままの訳で,楽器の具体的な挿絵や写真を入れてないのも,昔読んだ本には出てたけどこげな楽器,実際に日本に来てみたらカゲもカタチもなかったし,周りの誰も知らなんだからだったんじゃないでしょうか。
 今回の一件「ナゾの清楽器」の発生はつまり,こういう経緯だったんでしょうね。

1)ことのはじまりはフランスで A. クラウスさんが「日本の弦楽器」として,

  Koo,Schounga, Guekkine, Schiguene,

  ----という楽器をこの順番で紹介。(1878年)
  この時点では「これはこれにカタチが似てる」とか,同じ図版にいっしょに写ってる,くらいしか関連性はありませんでした。この本の記事を----

2)イギリス人のF.T.ピゴットさんが引用。(1893年)
 ここで楽器の名前が英語読みに変換されます----

   Ku,Shunga,Gekkin,Shigen,

 そしてここで gekkin の後に Genkwan が加わります。
 この時点でもまあ「琵琶および月琴の仲間の楽器」とはしてるものの,月琴と阮咸以外には音楽的な関連性があるようなことは書かれてません。しかし,このピゴットさんの本から----

3)アメリカ人の L.デュウさんが,それをほぼコピペして自分の記事に引用。(1900年)
 ただこの際に,楽器の解説をあちこち削って短縮しちゃったのと「原典がクラウスさんの本」だというあたりを書かなかったのがネックですね。これが原因で----

4)さらにこれがほかの記事でくりかえし引用されるうちに。

   Ku,Shunga,Gekkin,Genkwan,Shigen,

 という5つの楽器が,いつの間にか「月琴・阮咸と愉快な仲間たち」として,ひとかたまりで一人歩き(変な言い回しw)をしはじめちゃいました。 そして最終的には J.Hunekerさんの小説なんかで,5つの楽器がいっしょくたに,bedlam に(アタマがアレしてるみたいに)大合奏("Melomaniacs" 本文中の表現より w)----なんて事態にもなっちゃったわけですね。

 いやあコピペというものが百年以上むかしからあって,こうして情報に齟齬障害を生み出してるわけですよ。皆さん,ネット上でも軽率なニュース・情報のコピペには,くれぐれもご注意くださいな。
 「月琴や阮咸の仲間」として,見たことも聞いたこともない楽器の名前があげられてる,こりゃ何じゃ?というところからはじまり,これだけのことを確かめるため,庵主は1週間以上の時間(ほぼ毎徹)と資料(フランス語とドイツ語とイタリア語を含む)を2000ページ以上読み飛ばす,という事態に陥りました----原因を作ったクラウスさんとデュウさん----痛くしない!痛くしないから…ちょっとこっちィ来なさい。(と,笑いながら石工用のハンマーを握りしめますwww)
(おわり)

清楽の歌(3)

SONG_03.txt
斗酒庵流 渓派清楽歌譜 の巻清楽の歌(3)ー清楽歌譜集・完成!!

 レイアウトとか何度もいぢくってたもので,ちょっと時間がかかっちゃいました。
 渓菴の『清風雅譜』からの20曲に,渓蓮斎らの『清風雅唱』等から7曲足してぜんぶで27曲ぶんの歌詞対照譜全44ページ。PDFで3MBくらいです。

 前回作った『清風雅譜』のと違って,譜は漢字で書かれた工尺近世譜のみとなってますが,冒頭に対応表とか付けときましたので,プリントアウトして自分で数字でもドレミでもふってください(w)
 DLは以下のリンク,あるいは----

 http://charlie-zhang.music.coocan.jp/LIB/SGSONG_pre2.pdf

 HP「斗酒庵茶房」>「月の琴」>「明清楽復元曲一覧」

 のリンクよりご自由にどうぞ。
 長い歌はだいたい3番くらいまで,歌詞全部は載せていないものが多いので,続きが知りたいかたは上の「明清楽復元曲一覧」の表から,各歌の項目に飛んでそこで見てくださいな。
 「明清楽復元曲一覧」は上のHPからのルートのほか,当ブログ左ブロックの上のほうから,もしくは----

  http://charlie-zhang.music.coocan.jp/MIDI/MINSIN.html

 こちらからどうぞ。


(12月14日 追記)

 プリントアウトしてみて気が付いたんですが「四不像」の最後,いちばんカッコいいところの譜が1枚欠けてました。(汗) 上記HPリンク先のファイルは訂正済み(SGSONG_pre2.pdf)に替えましたが,すでにプリントアウトとかしちゃった人は,以下の画像を1枚,はさみこんどいてください。もうしわけな~い!!

 

 http://charlie-zhang.music.coocan.jp/LIB/SGSONG_pre2.pdf(訂正済み)


(つづく)


清楽の歌(2)

SONG_02.txt
斗酒庵流 渓派清楽歌譜 の巻清楽の歌(2)ーほんじつの歌譜ー耍歌

 なんきんかんとん なんきんかんとん
  なんきんかーあーあん とーーん
 お月さん ぴーかぴか
  とっくに落ちてる 恋わずらーい
 うそでしょ ねぇー そんなもぉー
  辻占せんせ 辻占せんせ
 いうにゃー こーりゃダメー
  どンしたって なーおりゃせーぇんわーい ヤ

 尼さーん 禅寺でー
  おーもうはナンのことーー
 ああもうどうしましょ
  指先ァもーじもじ 爪先ァぴーくぴく
 しょンがなーい 気紛れ
  琴でも弾いてましょ

 あ奴ゃキライー クズ奴ー
  あっちゃあこっちゃあ ひっかきまわし
 ようよう逢えた似合いの二人も
  はーなれ ばーなれよーー

 書生さん 勉強部屋
  おーもうはナンのことーー
 ほンにただただナーンのことーー
  いッそね かーけおち
 どこまでー ずっと いっしょ
 どこまでー ずっと いっしょ
  でもねー旦那にバレたら
 どうーしょうおしまいだ

 張さんやー町で きーれいな盆買うたーー
 きーれいなねーちゃんも おーそろいの鉢買うた

 鉢ァ盆になびかん 盆ァ鉢ャなびかん
 鉢ァ盆 盆ャ鉢 しまいにゃ
 どッちも割ーーらかすーーー

 正月ァ元旦 二月ァ花見
 三月ャ もうこりゃ はーるめいて
 四月五月 おー祭りにぎやかさーー

 六七月 半年 八月中秋
 九月ャ お月見 十月 なれば
 しょうーしょう 冷えるね
 十一月 十二月 雪だって ちぃーらちら

 庭木も かーおおるーー
 あなた いッそネェ
 手折りに きません かーーーー


 楽譜(近世譜)の読み方や,工尺符字とドレミの対応なんかは過去記事参照。

 庵主,翻訳の世界では和ラッパーやヒップホップの連中よりはるか前から,ライムにライム叩き返してましたからねYoYo(ww 拙著『中国のマザーグース』もよろしく)いちおう全編,ちゃんと「歌える翻訳」になっております。
 小説とかお芝居のキャラが出てきてるんですが,ぜんぶひらたーく訳してます。なので,それぞれのくわしい解説は「明清楽復元曲一覧」SCS009「耍歌」をご覧アレ。

 「耍歌」は「ざれ歌」。
 芸人さんなんかが客の呼び込みやるときにでも唱える歌だと思ってください。
 なので往来の人が「おぅ?」と思ってくれるよう,にぎやかに,軽快にかつテキトウに弾き歌いましょう!
 「尺-尺上|尺--○|」に「ポンガポンポンポーン」と書いてあるからには,太鼓が入るの前提のようで。そういう打楽器系鳴物入るとより面白い。


(つづく)


月琴WS@亀戸2017年師走場所!!

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斗酒庵 WS告知 の巻2017.12.16 月琴WS@亀戸 師走だがワシは走らん!絶対にだ! の巻


*こくちというもの-月琴WS@亀戸 12月場所 のお知らせ-*


 本年も多数のご参加,ありがとうございました!!

 2017年,師走12月,本年最後の清楽月琴ワークショップは,16日,土曜日の開催予定。
 会場はいつもの亀戸 EAT CAFE ANZU さん。

 いつものとおり,参加費無料のオーダー制。
 お店のほうに1オーダーお願い。

 お昼下りの,ふりふり開催。
 参加自由,途中退席自由。
 楽器はいつも何面かよぶんに持っていきますので,手ブラでもOK。

 初心者,未経験者だいかんげい。
 「月琴」というものを見てみたい触ってみたい,弾いてみたい方もぜひどうぞ。うちは基本,楽器はお触り自由です。

 1曲弾けるようになっていってください!
 中国月琴,ギター他の楽器での乱入も可。

 弾いてみたい楽器(唐琵琶とか弦子とか)やりたい曲などありますればリクエストをどうぞ----楽譜など用意しておきますので。
 もちろん楽器の取扱から楽譜の読み方,思わず買っちゃった月琴の修理相談まで,ご要望アラバ何でもお教えしますよ。

 とくに予約の必要はありませんが,何かあったら中止のこともあるので,シンパイな方はワタシかお店の方にでもお問い合わせください。
  E-MAIL:YRL03232〓nifty.ne.jp(〓をアットマークに!)

 お店には41号と49号の2本の月琴が預けてあります。いちど月琴というものに触れてみたいかた,弾いてみたいかたで,WSの日だとどうしても来れないかたは,ふだんの日でも,美味しいランチのついでにお触りどうぞ~!

 1月は庵主,雪かき帰省のためお休みさせていただきます。
 年明け最初のワークショップは2月の開催予定です。

清楽の歌 (1)

SONG_01.txt
斗酒庵流 渓派清楽歌譜 の巻清楽の歌 (1)


 さて,月琴も手に入れた。
 曲もなんとか弾けるようになった。
 工尺譜も……まあ,数字譜と対照ならなんとか。(w)

 というあたりになりましたら,だいたい月琴弾きの第三形態。つぎの段階-----

 月琴に合わせて,歌をうたいましょう。

 ----あー,かまえないかまえない。
 清楽の歌ってのはですね,ほとんどは清の時代に流行った流行歌や俗っぽい音楽,日本のむかしで言うなら端唄・小唄・懐メロの類なんです。

 だいたいがね,長崎に乗りつけた船乗り連中が伝えた音楽なんですよ。
 百年前の日本と中国じゃ,いちばん近い九州と台湾あたりとの行き来でさえ,板コ一枚命の危険と隣り合わせ----そんな連中が 「ヨーホー!ヨーホー!ラム酒とお宝~帆を張れホイ!」 以上の,ご高尚でおキレイなお歌なんぞ歌ってたと思いますか?
 たしかに「清楽」を伝えたと言われ,各流派の祖とされている中国の船主さんや商人には,かなりのインテリもおりました。しかしながら,その伝えた曲や歌自体は,同時代の流行曲であり俗曲であり,彼らの地元で流行っていた歌謡曲ていどのもの。それは当時の「海外の最新情報」であり,その意味では当時の知識人にとって喉から手が出るほど欲しいものではありましたが,それ以上の意味をもつものではありません。
 まあ,遠いむかし,異国からもたらされた音楽,っていうあたりは,それなりにロマンチックであり,そこには現在の大陸で消え絶えてしまっている曲もあるわけですから,わたしらのような研究者にとっては,いまもそれなりに価値があるわけではありますが。

 遠来の船乗りたちが異郷の地で,歌い,奏でていた手慰みの曲----裕ちゃんか小林明が波止場で歌ってたりしたらそれはそれでカッコいいかもしれません(w)が,もともとはあまり気取って弾くようなものでも,気取って弾いてカッコがつくようなものでもなかったわけです。


 日本の「清楽」とか「明清楽」ってのは,まあぶっちゃけて言っちゃえば一種の 「音楽詐欺」 みたいなモノなんです----ビートルズって名前だけは知ってても詳しいことは知らない田舎の少年たちに,都会から来た兄ちゃんが 「こんな感じ」 つてギター片手に教えたとしますわな。それが 「すンごい!」「もっと教えて!」 とウケるので,イイ気になって教えてるうちに,なんかビートルズでない曲とか,アヤしげなアレンジとかバタやんとか古賀メロディーとか四畳半フォークとかが混じって,いつの間にか 「びぃとるず」 って名前の音楽になった----そんな感じ。

 さらにそういうものを,お金をとって教えはじめたもんだからさぁ大変。こりゃあなんとしても体裁を整えなきゃならない。「長崎に留学して,お女郎さんと遊んでるついでにオボえてきた歌だよ~」 と正直に言って,さて,どのくらいのヒトがお金を払って 「習おう」 と思ってくれるか----いやいや(w)「これはスバらしいものだ」 と教えないとだれもお金くれませんからね。そこで船乗りの歌ってたエッチな唄や,素人芝居の一幕があたかも 「清の宮廷で歌われていた」 歌みたいに,しゃっちょこばって歌われるようになったわけです。


 たとえば梁川星巌は「月琴篇」で,そういうエッチな唄を,たいそうな・アリガタイ音楽であるかのようにして広めて回ってる清楽家連中を貶してますが,ほかのところでは月琴の音楽を聞いて感動したという詩も書いてます。当時のちゃんと漢文の読めた先生たちは,その実体を分かったうえで,半分は面白がって,半分は苦々しい思いで見ていたことでしょう。

 詐欺を詐欺とは知らないままに,その害を将来にまでつないでしまうってのは問題ですが。(汗) これをむかしの人がやらかしたギャグの一つだと思えば,ギャグと知ったうえで思いっきり乗っかって遊ぶのも悪くはありません。

 たいしたものではない,エッチな唄も多い----だからこそ。
 声高々と歌いましょう。(w)

 もとは中国語の唄ですが,もともとの方言や日本人の空耳や知ったかぶりと相まって,発音的にはけっこうエラいことになってます。
 (たぶん同時代の中国に行ってやらかしたら m9(^Д^) ってレベルww)
 庵主も当初は,ちゃんとした中国語に直したろ,とか思っていろいろやってたんですが,だんだんメンドくなってあきらめました(w)
 楽譜は4/4,1拍1文字の近世譜と歌詞の対照譜。歌詞にはカタカナで読みがふってあります。江戸から明治時代の表記をもとにしたものですんで,多少分かりにくい・読みにくいところもあると思いますがまあカンベンしてください。
 すこし前に公開した楽譜集と違って,メロディ部分は工尺近世譜オンリーですが,慣れてない人は下の対応表を参考に,自分でドレミなり数字なりふってください。

ファ

 上=1=真ん中のド(4C)とします。
 じっさいの清楽の音階だと3音くらい高い上=4Ebですが,移動ドなのでそれほど気にしない。おんなじ「乙」の字が高音にも低音にも出てきたり,月琴では出ない「上」より下の音が書いてあったりしてますが細かいところは気にしない。(工尺譜の読み方に関する過去記事 など参照!)
 だって歌だもん。
 人の声なら,月琴に無い音だってふつうに出せるわけで。

 そこんとこ踏まえたうえで,ほんじゃあいっちょういってみましょうかあ!!


  再現曲

 1曲目,「韻頭(イントウ)」。
 まあこれは「歌」じゃなくて,工尺譜の発音練習みたいなものですね。
 最初の1行は工尺譜の符字の読みかたを並べたもの。
 曲を弾きながら符字を発音して慣れよう,ってとこですね。
 「四」のとこだけ,月琴では「五」の音を出しながら,声は1オクターブ下を発音するわけで。やってみるとはじめのころはなかなかに難物。(w)
 けれどこれをクリアすれば,ほかも「まあこんなものか」と,歌を合わせるときの感覚が,少し分かるようになるかもしれません。


  再現曲

 おつぎは「算命曲(サンメイキョク)」。
 辻占の先生と娘さんのコミックソングで,ほんとはもっと長いんですが,まあとりあえず3番まで歌えればいいです。
 最後のくりかえしのところ,連山派とかでは「尺」と「上」が1オクターブ高い「伬」「仩」になってます。これが歌のメロディ。連山派が伴奏とユニゾンで歌うのに対して,渓派では月琴で低音パートを弾きながらオクターブ上のメロディ (五-伬-|仩-五-|六--五|六--○|) を歌う-軽くアンサンぶってる-わけですね。


  再現曲

 つぎはおなじみ「九連環(キュウレンカン)」。
 清楽でいちばん有名な曲でしょうかね。
 楽譜は同じですが,これも前の「算命曲」のくりかえしのところと同じで,月琴と歌とでメロディが異なります。
 分からなくなったら 「オクターブ上げ」(下画像参照)で弾いて,笛のメロディ(=だいたい歌のメロディ)を擬似的になぞってみてください。

  
  (2回目の演奏が「オクターブ上げ」)

 現在,この調子で『清風雅譜』所載の曲のうち歌のあるものを,同じ渓派の歌詞対照譜などを参考にしながら,この手の楽譜に変換中。
 まとまったらまたPDFにして公開しまあす。あと1曲…最後の「四不像」が難敵です。(^_^;) もうしばらく,お待ちください。

(つづく)


月琴WS@亀戸 2017年11月!!

20171125.txt
斗酒庵 WS告知 の巻2017.11.25 月琴WS@亀戸 月琴のうなじにポニテを想ふ の巻


*こくちというもの-月琴WS@亀戸 11月場所 のお知らせ-*


 2017年,11月の清楽月琴ワークショップは,25日,土曜日の開催予定。
 会場はいつもの亀戸 EAT CAFE ANZU さん。

 いつものとおり,参加費無料のオーダー制。
 お店のほうに1オーダーお願い。
 このところ,毎回行くたびに「隠しメニュー」が増えてます。楽しみ楽しみ。

 お昼下りの,ユラユラ開催。
 参加自由,途中退席自由。
 楽器はいつも何面かよぶんに持っていきますので,手ブラでもOK。

 初心者,未経験者だいかんげい。
 「月琴」というものを見てみたい触ってみたい,弾いてみたい方もぜひどうぞ。うちは基本,楽器はお触り自由です。

 1曲弾けるようになっていってください!
 中国月琴,ギター他の楽器での乱入も可。

 弾いてみたい楽器(唐琵琶とか弦子とか)やりたい曲などありますればリクエストをどうぞ----楽譜など用意しておきますので。
 もちろん楽器の取扱から楽譜の読み方,思わず買っちゃった月琴の修理相談まで,ご要望アラバ何でもお教えしますよ。

 とくに予約の必要はありませんが,何かあったら中止のこともあるので,シンパイな方はワタシかお店の方にでもお問い合わせください。
  E-MAIL:YRL03232〓nifty.ne.jp(〓をアットマークに!)

 お店には41号と49号の2本の月琴が預けてあります。いちど月琴というものに触れてみたいかた,弾いてみたいかたで,WSの日だとどうしても来れないかたは,ふだんの日でも,美味しいランチのついでにお触りどうぞ~!

 帰京後の3面同時修理も片付き,10月の会で54号がお嫁にいきました。まだ56号と57号が嫁き遅れてます(w)WSの前に見てみたいとか触ってみたいと言う方がございますればご連絡を。日取りが合えばどこなりと参上つかまつる。

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