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明治の歌…まとめ

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明治の歌(俗曲集…まとめ) 明治の歌明治の歌 01

『明笛胡琴月琴』 表紙   『明笛胡琴月琴』(山田要三 大阪又間精華堂 明33)「俗曲」所載の工尺譜より復元。
  提琴と叩き金や鼓の譜はこちらで付けました。
  発行が大阪なので西ものの歌が中心。もっとスローなテンポで,しっとりしっぽりと奏でるべき歌ばかりなのかもしれませんが,「色ッぽい」お座敷風というより,悪書生や熊八が呑んで茶碗叩きながらガナりたててる――というカンジ。門付けか演歌風の再現になっております。

  あと2曲「梅にも春」と「鶴の聲」という曲が入ってますが,長いので未着手(07.3.25 現在)
  3.28 残り3曲追加。「梅にも春」「鶴の聲」「松づくし」いづれも端唄,地唄などでおなじみ。


金閣寺 明笛胡琴月琴 001
金閣寺の桜の木に 雪姫を縛(くく)り付け
足で鼠を書いたれば オヤ 
其又鼠が縄を解く チウチウノ チュラヨ
新年の曲 明笛胡琴月琴 002
正月一日(いちにち)は御年酒御祝儀 [テツトツテツテテ ツンテテ]
 羽織 [テンテン] 袴で [チツチン] 屠蘇機嫌
 新年お目出度いとて [トチチチツン] 名刺出す (ションガイナー)
夕焼小焼 明笛胡琴月琴 003
夕やけ小焼け 明日は快晴(てんき)に為れ
隊長かね 明笛胡琴月琴 004
何をくよくよ川ばた柳 ドンドン 水の流れを見て暮らす
隊長かね そかね ドンドン
ちょんきな 明笛胡琴月琴 005
ちょんきなちょんきな ちょうんちょんきなきな
ちょんが菜の葉で ちょちょんがほい
サイノ節 明笛胡琴月琴 006
円い卵もヤッコラヤノヤ 切り様で四角 ノーチョサン
物も言い様で角が立つ サイノ
千艘や万艘 明笛胡琴月琴 007
千艘や万艘 お船はギッコギコ
ギチギチ漕げば 戎か大黒か コリャ福の神ヨ
よさこいぶし 明笛胡琴月琴 008
 [チッチンチツ] 坊さん簪買うのは可けれど 按摩さん眼鏡を買いに来た
ヨサコイ ヨサコイ
きびすかんかん 明笛胡琴月琴 009
擂鉢を伏せて眺むりゃ三国一の味噌をするがの富士の山
キビスカンカン イガイドンス キンモクレンスノ スケレッポ
スッチャンマンマン カンマンカイノ オッペラポーノ キンライライ
阿房らしいやおまへんか 姐はん居ててやおまへんか
トコホイ節 明笛胡琴月琴 010
船は新造でヨ 帆かけて走るエーソレソレ
茶屋の娘が出て招くエートコホイ
ショカ子節 明笛胡琴月琴 011
岐阜は 良いとこ 金華山の麓 小田の
小田の蛙の鳴く音をばアラ ショカ×4 ショカネ
蝶々とんぼ 明笛胡琴月琴 012
蝶々とんぼやキリギリス 山で囀るのが松虫鈴虫轡虫 
オッチョコチョイノチョイチョイ
ヒヤヒヤ節 明笛胡琴月琴 013
通はしゃんせ学校生徒の子供たち 洋学漢学国学を
道には汽車あり蒸気船(じょうき)あり
テモまア便利な浮世だな ヒヤヒヤ
壮士節 明笛胡琴月琴 014
見よや見よ 福島中佐の一大事業を 日本帝国軍人の
重き名誉を一身に 担ふて立ちし安正が 人も踏み見ん跡も無し
権兵衛種蒔 明笛胡琴月琴 015
権兵衛が種まく烏がほじくる 三回に一回は逐はずばなるまい
ズンベラズンベラズンベラヨ 向こうの小山の小松の小かげで
十六島田が出て来て小招く 何かはさておき行かずばなるまい
ズンベラズンベラズンベラヨ
立山節 明笛胡琴月琴 016
越中立山お岩の不動に縄が池 富山船ばし 渡しの無いのがよござんす
トコ よい處 世の中ざんす
内證節 明笛胡琴月琴 017
[テ ツンツツツン チツン ツツ]
人中で 内証ばなしはお止(よし)なさい
変に思います皆さんが×2 こんど何方(どなた)も居ないとき
イヤネー 内証
トウジワン 明笛胡琴月琴 018
トウジワン×2 シャベロベロンノワイゴノメ
トーロロンノ オショウライノワイゴノメ
マルスベボンノ ペラペラ ペッポンパイ
ぬしは罪だよ 明笛胡琴月琴 019
ぬしは罪だよ来る度毎に [チリチン]堅いわたしを実迷わせる
ササササ サッサ サノサ サノサッサ サッコラサノサ
コラサノドッコイサノ ヨイトコサノ サッサッサ
滅茶滅茶節 明笛胡琴月琴 020
日本の陸海軍は余程強いのノーイ 連戦連捷是皆ちふて
支那(ちゃんちゃん)坊主を滅茶滅茶 チャチャラカチャン×2
ドッコイショ節 明笛胡琴月琴 021
福知山さん葵の御紋 [トトテツンツン] いかな
御大名もかなやせぬ ドッコイショ ドッコイショトコドッコイ
ドッコイドッコトショ
二上リ 明笛胡琴月琴 022
歌詞:口三味線
好たどうし 明笛胡琴月琴 023
好たどうしが途中で逢へば 胸どきどきと 顔は互ひに桜色
後ふり向いて互いにつくつくか 見かはす顔と顔
真の闇夜 明笛胡琴月琴 024
しんの闇夜に(ヨー)桜をけづり ヤンレサホイ
赤き心を墨で書く ヤンレサホイ
 [テテ チンチテ トッテチ ツンテテ チンテテ チン]
花嫁子 明笛胡琴月琴 025
昨夜(ゆうべ)よんだ花嫁子 [ツツチテトチチン] 
背が低うて片足短うて 臍が出べそで嫌はれた
ささ言はれぬ所がよしよし
 [チチチチチリ シャシャリッシャントン]
 [シャンチッシャントンシャン]
ションガイナ 明笛胡琴月琴 026
梅は咲いたか 桜はまだかいな 柳よなよな風次第
山吹ゃ浮気で [トツンツシャン] 色ばっかりションガイナ
海晏寺 明笛胡琴月琴 027
[チントトシャン] アレ見やしゃんせ海晏寺 [チッチチトチチン]
  ままよ [シャンシャン] 龍田が高雄でも
  及びやせぬぞえ紅葉狩 [ツテトッチンシャン]
アレ見やしゃんせ清玄は 破れ衣に破れ笠 これも誰ゆえ桜ひめ
(以下略)
宮さん宮さん 明笛胡琴月琴 028
宮さん宮さん 御馬の前に ちらちらするのは 何ぢゃいな
 トコトンヤレトンヤレナ
彼れは朝敵 征伐せよとの 錦の御旗を 知らないか
 トコトンヤレトンヤレナ
さっさ踊 明笛胡琴月琴 029
わしとおまえは お蔵の米よ ハ ヨイヤサ
やがて世に出て コリャ ママとなる
エーンエーン サ エンサ エーンエーン サ アレサ
読売節 明笛胡琴月琴 030
一つとせ 昼は隠れる大星が 夜は乱れて顕はれる 此(この)由良の助
二つとせ 二つ巴の定紋で 力弥は出で立つ一目見て 此忠義さよ
博多柳町 明笛胡琴月琴 031
博多柳町 柳はないが ヨッホイ
女郎(じょろ)の姿が 子ッチョン 柳腰だよホイホイ
*「博多節」「博多子守唄」の歌詞中に同じものあり。
浪花四季 明笛胡琴月琴 032
春が来たかよ桜の宮に 花が咲いた咲いた イ テケレッシャンシャン
夏が来たかよ淀川すずみ 船が浮いた浮いた イ テケレッシャンシャン
秋が来たかよ馬場の原に 月が冴えた冴えた イ テケレッシャンシャン
冬が来たかよ高津の宮に 雪が降た降た イ テケレッシャンシャン
梅ヶ枝 明笛胡琴月琴 033
梅が枝の手水鉢 打いてお金が出るならば 若もお金が出たときは
其時ゃ身うけを ソォレ頼む
高い山 明笛胡琴月琴 034
高い山から谷底見ればヨ 瓜や茄子の花ざかり
彼(あ)れはドンドン 此はドンドンドン
金ぴら船々 明笛胡琴月琴 035
金ぴら船々 追風(おいて)に帆かけてシュラシュッシュッシュ シュシュシュ
廻れば四国は讃州那珂の郡 象頭山金ぴら大権現 一回(いちど)回りて
数え歌 明笛胡琴月琴 036
一つとやー一夜明くれば賑やかで 賑やかで
おかざり立(たて)たり松かざり 松かざり
丹後節 明笛胡琴月琴 037
 [チンチンレツ テレツトチンチン ×2] 二度と行くまい丹後の宮津
縞の財布が [ナイチョ] 空となる 丹後の宮津でピント出した
十日戎 明笛胡琴月琴 038
十日戎の売り物は ハゼ袋に取鉢 銭叺(ぜにかます)
小判に金筥(かねばこ)立烏帽子(たてえぼし)
ゆで蓮 才槌(さいづち)たばね熨斗(のし)
お笹(ささ=酒)をかたげて 千鳥足
梅にも春 明笛胡琴月琴 039
梅にも春の色添へて  若水汲みか車井の 音もせわしき鳥逐(おひ)や
朝日にしげき人かげに 若しやと思ふ恋の慾
遠音神楽(とをねかぐら)や数とりの 待つ辻占や鼠鳴
逢ふてうれしき酒(ささ)きげん
鶴の声 明笛胡琴月琴 040
軒の雨 立ちよるかげは難波津や 芦吹く宿のしめやかに
かたりあかせし可愛とは うそかまことか 其言の葉は
鶴の一こえ幾千代までも 末はたがひの友白髪
松づくし 明笛胡琴月琴 041
うたひはやせや大黒 一本目にはいけの松 二本目には庭の松
三本目にハ下がり松 四(し)本目には志賀の松
五本目には五葉の松 六ツむかしの高砂や尾上の松や曽根の松
七本目には姫小松 八本目には浜の松
九ツ小松を植えならべ 十で豊久野伊勢の松
この松は芙蓉の松なさけあり馬の松ヶ枝に 口どけば靡く相生の松
またいついつも約束を 日をまつ時まつ暮れをまつ
連理の松に契りを籠めて 目出たいや若戎

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