ウサ琴3(1)
![]() 思いがけず,ウサ琴初号機の大修理などという作業が入ってしまって遅れましたが。 最近になってようやくその修理の目途もたち(後日うpします),塗装に入ったので,本来は夏の帰省から帰ったらすぐ始めるはずだった,ウサ琴3(コードネーム:ウサイザー3)の製作にとりかかりました。 またまた4面ほど同時に作ってゆきますが,前回の製作で4面3ヶ月で「完全同時」製作ってのは,たしかに資材的にもムダが少なく,経済的でいいものの。肉体的・精神的にはかなりキツくて,HP,MPの消耗がハンパねぇ~――ということが分かったので,今回は工作期間も気長に,工程は多少バラけてもいいから,完成までまったりゆったりと作ってゆこうかと思います。 糸倉はサクラ。 いつもお世話になってる,新木場はウッディ・プラザさんで,厚さ1cm,幅9cmほどの板を見つけました。 サクラはホンモノの月琴でも,よく棹や胴体に使われる材。 強度的にはモチロン申し分なく,よりホンモノに近づけるためにも理想的な材料なんですが,画材店やハンズとかだと1.5cm厚のしかおいてなくて,ちょっと手を出しかねていました。 が,今回は目の前に誂えたかのようにおあつらえむきなサイズの板が2枚――価格も安い! 即ゲットでした。 月琴の糸倉を切り出すには,もうちょっと幅が欲しいところですが,色もいいし,ほとんど柾目。 いい糸倉ができそうです。 ![]() さて,上にも書いたように,深いアールのついた糸倉を数多く切り出すには,ちょっと板の幅が足りません。 そこで今回は糸倉のデザインを再考して,アールが浅めの型紙を用意。 参考にしたのは「彼氏月琴」の糸倉。 破壊され尽くしてはいましたが,あれは美しい曲線でした。 彼氏月琴からとった型紙をもとに,糸倉のカーブを1cm ばかり浅くして,コンパクトながら奥行きを感じさせるデザインにまとめてみました。 写真で3枚ならんだ一番上が今回作った型紙。 前作ウサ2(真ん中,4号月琴の糸倉を元にしています)にくらべると,やや末広がりで太めになっています。 ちなみに一番下の長いのは1号の糸倉からとった型紙。ウサ初(改修前)はこれを使っています。 サクラも今や貴重材ですからね,なるべくムダは出したくありません。 この型紙で,一枚の板からちょうど4セットぶん,8枚の部材が切り出せました。
以前,3号月琴の軸をハンズで買ってきた端材のクスノキで削ったことがありました。 あれは柾目だったし,もっと白っぽかったなあ。 ニオイもここまでモノ凄くはなかった。 総杢だからでしょうか? ウサ琴3最初の一本,通称決定! 「防虫月琴」であります!
![]() ■ 指板にはタガヤサンやウェンジの類の板(約3mm 厚)を貼ります。 いづれも新木場の銘木屋さんから貰ってきたもので,前回はギリギリ黒檀ばかり使い,こちらの類を使わなかったので,ちょっと材料がダブついてきました。端材とはいえせっかく貰ってきたモノ,使わなきゃもったいない。 ![]() 貯材箱をかきまわして,ウェンジの類の黒白の縞のスゴいのと,本タガヤの縞目の詰まった板を選びました。これを3cm幅に切って,それぞれ2本づつ作りましょう。 強度的には文句ないものの,黒檀にくらべるとややアバれる木だそうですが…大丈夫かな。 今回の製作実験。 胴体の方は4面すべて同じ構造にします。 響き線も同じタイプのものを仕込んで,棹材の違いによって,どんなふうに音が違ってくるのかを調べるのが主眼です。 ギターなんかでもよく,材はアレがいい,コレがいい,というコダワリが聞かれますよね。 もっとも,シロウト耳には最上級のハカランダのも,ベニヤ板で作った白いギターのも,さほど違っては聞こえませんが。 楽器としては,より単純かつワイルドな構造体である月琴。 工作が均一だとどんな変化がアルのか,それともナイのか? 違いがあるなら,理想の組み合わせを探すヒントになるでしょう。 さほどの違いがないならないで,それもまたオモシろいでしょう? |