南越1号(終)
南越1号(終)
STEP9 漢の塗装道 うおおおおおっ!!塗るんじゃーいッ!!!!! ――というほどのことではありませんが,まあいつもながらタイヘンな作業なので,ちょっと気合を。 南越1号の下塗装は,これでまいります。
とまあ,書き並べてゆくと,大したことがないのですが。 実際には塗装開始から終了まで,およそ2ヶ月近い日々が流れています。 その間にも,古い資料を漁ったり,コウモリ月琴を改修したり,鶴寿堂の再修理が終わったり,彼氏月琴の調整があったり,10号菊芳の修理が始まったりと,色々なことがございました。 STEP10 S.K.T.(すーぱー小物たーいむ)! さあて,この間に小物を作ります。 最初に作ってやった軸は鶴寿堂のほうに回してしまったので,まずは再び軸削り。 こんどはちょっと細身のスマートな軸にしました。 オハグロベンガラで塗って黒軸に…なかなかかっこいいですね。
フレットも渋く塗装しときましょう。 胴体に使ったのと同じベンガラを,ごく薄くさッと刷いて,柿渋とラックニスで止めました。 うん,ちょっとなんだか古楽器っぽくなってきたぞ。 STEP11 完成!! 軸の塗装の乾燥に思ったより時間がかかり,一週間ほど余分にとられてしまいましたが。 最後に全体を軽く研磨して,鳥口,フレット,お飾りを取り付けて。 2009年5月27日。 ベトナム月琴とその古形である「丐彈雙韻(かいだんそういん)」,古代楽器「阮咸(げんかん)」,そして明清楽の月琴とウサ琴の詰め込みすぎハイブリット楽器 「南越1号」 ,完成です! 記録を見返しますに,最初に棹を切り出し,製作をはじめたのは2007年4月のこと。 その間,しょっちゅうクジけたり,何ヶ月も放置したまま忘れたりしていたので,べつだんコレにずっとかかりっきりだったわけではありませんが。 ――2年ちょっとかかってるワケですね。 ウサ琴の製作が月割り一本*だったことを考えると,こりゃまさに「記録」だわ。 * 去年までの一年ちょっとで13本。製作は4本同時のことが多い。でも「楽器」の製作ペースとしては,これもちょっと異常。 南越1号・音資料 庵主,正直ベトナム月琴の奏者ではないので,作ったはいいものの,この楽器をちゃんと使いこなせません。 そこで今回の音は,受け取りに来た和尚♪さんに頼んで,試奏してもらったものです。 bebung(弦を押し込んでかけるビブラート効果)の効きかたが,もーぜんぜん違います。高音域での音がまた,庵主がちょいと弾いてみたのたあ比べものにならないくらいいい! 祝杯挙げながらの録音,かついつもより少なめですが,まあどうぞ。 |