« 月琴25号しまうー(3) | トップページ | 月琴25号しまうー(5) »

月琴25号しまうー(4)

G025_04.txt
斗酒庵 変な楽器に出会う の巻月琴25号 しまうー(4)

STEP4 しましましまなお月様

  さて,25号しまうー。
  修理前の状態で,軸は4本そろっていたしフレットも山口もついていました。
  古物の清楽月琴としては損傷も欠損部品も少ないほうですが----あとは,こいつが問題ですね。


  虫に食われて朽ち果てた,半月の復元製作へとまいります。

  除去した時にその材質が竹だと分かりましたが,さてさて,庵主も月琴の半月を竹で作ったことはないもので,まずは元の状態がどうなっていたやら,修理前の写真や残骸をもとにぢっくりと観察推理----と,言いたいとこですが,俺の中の修理コスモ が燃え上がってしまっているので,まずなんでんかんでん,実際に作ってみる方向で,実験しながら考えて行きたいと思います。


  まず材料。
  オリジナルの半月は弦になっている部分で最大高さ1センチ。
  糸孔の部分を平に均してこの厚みですから,元の材料は少なくとも肉の厚みが1.3センチくらいはあったと思われます。

  手持ちの竹材ではさすがにそこまで厚みのある竹板はないので,ふだんフレットを作るのに使ってる白竹の板を,二枚重ねて素体としましょう----とりあえずは作ってみてダメもと,イケなそうならあらためて木で作ってみればいいだけですわい。


  力のかかる部品なので使ってる間に割れちゃったりしないよう,接着面の擦り合わせにはかなり神経を遣いました。
  竹はそれほど接着のいい材料ではありませんから,適度に荒し,ニカワをよく染ませてから圧着します。

  いつもごく小さな部品しか作らないんで,分かんなかったんですが,竹ってこのくらいのサイズ(10×4センチ)でも,平らな板状にしようと思うと結構大変なものなんですね。(汗)
  繊維方向へ割るときは別として,平面を均すときの硬さなんかは,黒檀・紫檀なみですわ。


  二晩ほどおいて,できあがった板の余分を切り取り,下縁部を整形します。
  ここでも繊維の向きを考えながらやらないと,ぞろっと大きくハガれちゃったりしそうで緊張します。


  オモテ面は糸孔の周囲を残して下縁部の角を落とし,ウラにはポケットになる部分を彫り込みましょう。
  うむ…なんだか半月のカタチになってきました。

  竹でもやればできるもんなんですねえ。


  試作のつもりだったのと材料の関係で,オリジナルより若干小さくなっちゃいましたが,思いのほか上出来なので,もーこれでいっちゃいましょう。

  まずは下地固めを兼ねて柿渋を染ませます。
  柿渋には防虫効果もありますから,これでオリジナルみたいに,虫に食われてスカスカになる可能性は少なくなると思いますよ。しかしながら材料が合成板ですからね。まさかどぷんとドブ漬けするわけにもいかないので,脱脂綿に柿渋を染ませたものでくるんで,数時間置きました。

  一日乾かして表面を磨いたらつぎはスオウ染め。乾かしたら塗りで2~3度ほど染ませます。


  これをまた乾かして,重曹溶かした熱湯をくぐらせます。
  ---なんか完熟マンゴーみたいで,美味しそうですねえ。


  これを一晩放置すると,蓮頭の時と同様,こんな感じの色になります。
  竹は染みこみが良くないんで,木に比べるとまあ少し薄めでしょうか。


  ここまでは蓮頭と同じですが,ここで二次媒染のオハグロ液は,あたためず,かきまぜずに上澄みになった液だけを使います。

  すると----うむ,月琴の半月で良くある,あの渋い赤茶色になりました!

  この染めの工程は,オリジナルの半月の裏についてた染めシミの色なんかからの類推ですが,思ったより上手くいきましたね。
  あとはこれを乾かして磨き,カシューをかければ完成です。

  おおぅ!珍しくも報告が現作業に追いついて,書くことがなくなっちゃいましたよ!
  ではいづれまた----

(つづく)


« 月琴25号しまうー(3) | トップページ | 月琴25号しまうー(5) »