カメ琴2号(3)
2013.4~ カメ琴2号 (3) STEP3 カメの小細工 ここで小さな部品をいくつか。 まずは半月。 今回の素材はツゲ。一風変った見慣れないカタチですが,これは西南少数民族の月琴なんかでよくある半月(テールピース)を真似したもの。 板も狭いので通常の月琴のと違い,琵琶の覆手と同じ,片持ち型のテールピース--接着部が小さくて済む--となっております。 次に電池ボックスを端材で作りました。 「電池ボックス」といってもまあ,「箱」にすらなっていないシロモノで。 9V電池をこう,マジックテープで固定するための「台」みたいなものですが。 今回用意したアンプの回路は,以前作ったカメ琴用ミニ・アンプ「マスヲさん」のと同じですから,つけっぱなしでも4時間ぐらいはもつと思います。カメ琴もマスヲさんも,小さくて軽いし持ち運ぶのにはベンリなんですが,時折カバンの中でもみくちゃにされてるうちに,マスヲさんの電源スイッチが入ってしまっており,イザ演奏!というときになって電池切れで「はにゃ?」ということが何度かありました。 そういう経験から言って,電池交換は容易なほうが絶対によろしい。 当初,電源はほかの回路といっしょに胴体内部に仕込もうと思ってたんですが,交換の手間を考えるとこうして露出していたほうがいいですね。 ----ちょっと実験してみました。 9V電池をつなぐスナップがキツいので,一瞬,というのはまあムリですが,ポケットに予備電池を入れてたとして,だいたい1~2分もあれば交換できるかと。 電池ボックスの上に接着中の黒檀の板は,2枚つく圧電素子の片方を貼り付ける場所。下地が硬いと高音域をよく拾ってくれます。もう1枚は桐板に直貼り。 2枚をつないでなるべく広い領域の振動を拾ってもらう工夫です。 胴体に響き線を仕込みます。 カメ1号や庵主自作の胡琴「金鈴子」シリーズに仕込んだのと同じ,省スペース型の響き線ですね。 こんな胴体で,こんなちいさな響き線ですが,それなりに効くんですよ。 胡琴に仕込んだのと違うのは,真ん中の直線がハガネ線なとこですね。 真鍮線だけだと反応が良すぎて,少し余韻にず太さが足りないですんで。 表面板に触れる部分をこんな風に削ったのはちょっとした実験。 まあこれもただの思いつきで----庵主とてべつだんそれほどの効果をキタイしてはおりませんが(笑)。 つぎに裏板と回路部の蓋を切り出しましょう----まあ「裏板」とは言っても,表板よりさらに面積がすくないですから,もうこうなると「板」とも言えないくらいだとは思いますが。 本体の真ん中,響き線の下の空間には,圧電素子や電池からのコードが通ります。 左のかしげてある板,いちばん面積の広いところが,アンプやスピーカーの入る回路部をふさぐ「裏ブタ」になります。 電池を外部に露出してしまったので,この回路部は,そうしょっちゅう開け閉めすることはないでしょう。ですので,裏ブタは木ネジ止めにしますが,裏ブタと本体がわの裏板の触れ合うところは,ブビンガの端材やツキ板を貼って保護しておきます。 回路部の基板のおさえになるスペーサーと,電池ボックスの裏にM3のナットをエポキつけて埋め込みます。 ここまできてようやく電源スイッチの位置が決まりました。 まあけっきょく最初に予定していた位置(いちばん右側,アンプ回路のすぐ横)になっちゃいましたが,ここと電池ボックスの横のどちらがいいか,ちょと悩みましてん。 裏板に補強板(ホオ,厚2mm)を貼り付けて,本体工作だいたい終了! さあ,続きは「染め」と「塗装」ですね。 (つづく)
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