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月琴35号首無し2(4)

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斗酒庵 胴にどうする2 の巻2014.3~ 月琴35・首無し2号(4)

STEP4 ぶらり首無し一人旅(w)


  棹と糸巻きは塗装に入りました。

  板材を寄せ集めた棹なんで,カシューの透で保護塗りしなきゃちょいと心配ですからね----なんかゲージツ的な写真が撮れましたよ。(w)

  カシューてのは,塗装に時間がかかりますからね。

  その間に胴体のほう,やっちゃいましょう。


  まずは胴体構造の補修の続き。

  響き線の手入れなどと同時に,四方接合部の再接着と補強は済んでいますが,内桁の左右の接着もトンでしまっていました。側板のウケ溝にお湯とゆるく溶いたニカワを,交互に垂らしこんでは拭い,じゅうぶんに行き渡ったところでゴムをかけて固定します。

  つづいて,内桁や側面と面板の接着部にある,細かな虫食い痕を,木粉粘土をエポキで練ったパテで埋め込み,乾いたところで余分を削り取って均します。

  小さくて浅い溝でも,再接着の支障となったり,その部分の接着や,後の楽器全体の強度に影響を及ぼす場合がありますからね。このへんは手を抜いてはイケません。もちろん,板のほうの接着部にある溝やエグれ痕なんかも,同様の方法で充填して平らにしておきましょう。

  表面板はもともとあった中央のヒビ割れのところから,二枚に分かれちゃってるわけですが,胴体の収縮によって割れちゃったのですから,これをこのままもどしても,寸法が合わず,ご覧のように(左)胴との間に段差ができてしまいます。


  まずは二枚になっちゃった板を,真ん中にスペーサーを噛ませて,矧ぎなおします。
  こういう作業で本来使う,ハタ金なんてもンを持ってませんので,毎度のことながら作業板の上で,クランプと木っ端や角材を総動員しての作業となります。

  一晩置いて,へっついたスペーサーを削って均します。
  ど真ん中なもので,寸法的に使える古板がなく,新品の板を使いましたからやっぱ目立ちますね~(汗)

  こりゃ誤魔化すのがタイヘンそうだ。


  染めてあるのとヨゴレのせいで,表面からだと板の矧ぎ目が分かりにくいんですが,裏面からだと比較的簡単に見分けられます。画像に置かれたシルシのほか,両端に小さな板が一枚づつ継がれてますので,合計10枚の小板で出来てたわけですね,この板は。

  前にも書きましたが,この楽器は中級の量産品ですが,板の工作は良く,これはおそらく専門の桐屋さんの仕事だと思われます。

  桐板はむかしからこうして,小さな角材や板材を接着・積層し,薄切りにして作られています。高価な板ほど矧ぎ数が少ないわけですね。楽器職くらいの腕前があれば自分でも作れますが,大量生産を考えるなら,自分とこでいちいち作るより,桐屋さんからまとめ買いして安く仕入れたほうが,金銭的にも時間的にも手間的にもけっきょくお得ですよね。
  また,表板には比較的木目のそろってて目のつんだ柾目的な板が使われますが,裏板にはたいてい,節があったり木目がバラバラだったりするような低質の板が用いられます。まあ,これも当然かな。


  さて,仕上がった表板をへっつけましょう!

  接着部をよーく濡らし,ニカワを塗りこんで。
  いつものとおり,ウサ琴の外枠として作った板にはさみこみ,均等にしめあげまあす。
  まんなかに角材置いてゴムかけてあるのは,このあたりに圧かけて,内桁との接着を確実にするためです。
  楽器の音色の面からも,ここはちゃんとくっついててくれないと困るんです。
  これでこのまま一晩~二晩。

  うまくへっついてくれるかな?

(つづく)


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