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斗酒庵夏の資料大公開!

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斗酒庵 PDFをうpる の巻2014.7 斗酒庵夏の資料大公開!

STEP1 PDFYさんありがとう

  Webでいろいろとニュース見てましたら,こういうのを見つけまして。

  http://gigazine.net/news/20140716-pdfy/

  PDF用の広告なし登録なしの無料鯖の紹介記事であります。
  この手の無料サービスはある日とつぜんお亡くなりになることが多く,いつまであるかは分かりませので,直リンは張らずに置きますが,とりあえず自炊したのやら加藤先生からもらったのやら,手持ちのPDF資料を手当たり次第でうpしてみました。

  今回うpした資料は,朱入り本を中心に以下の12種です。月琴の自習に,清楽音楽の研究にお役立てください。


  『月琴読本』(マンガ): https://pdf.yt/d/4SPESNhv-G08Ojk3

『清風雅譜』明治11年版
  『清風雅譜』(朱入)_M11: https://pdf.yt/d/Zf4v9D1CHzE12s08
『清風雅譜』明治17年版
  『清風雅譜』(朱入)_M17: https://pdf.yt/d/S3JnlxGf-S9hWPWw
『増補改定・清風雅譜』明治17年版
  『清風雅譜』(増補改定)_M20: https://pdf.yt/d/3mJJf3-XWyZk7BYo
『清風雅譜』明治25年版
  『清風雅譜』(朱入)_M25: https://pdf.yt/d/h9UScYYsi64V5Tnm
『清風雅譜』渓蓮斎校朱入 明治31年版
  『清風雅譜』(渓蓮斎校朱入)_M31: https://pdf.yt/d/1pQMwKSjH7hoMGXB
『清風雅譜』渓蓮斎訂朱入 明治31年版
  『清風雅譜』(渓蓮斎訂朱入)_M31: https://pdf.yt/d/cEJzO5zhypThIckY
『清楽指南』明治25年版
  『独習自在清楽指南』(花井信)_M25: https://pdf.yt/d/424LdkmoJO77SX7p
『清楽独稽古』明治27年版
  『清楽独稽古』_M27: https://pdf.yt/d/xH95GYERBQ-VbZvV
『月琴雑曲 清楽速成自在』明治30年版
  『清楽速成自在』(静琴居士)_M30: https://pdf.yt/d/iuywKLp3eSdy09KG
『声光詞譜』明治11年版
  『声光詞譜』(朱入)_01: https://pdf.yt/d/0dmPLSDjY3gR_-yy
  『声光詞譜』(朱入)_02: https://pdf.yt/d/0cgyol8LFz-nquaV
  『声光詞譜』(朱入)_03: https://pdf.yt/d/EMH4oboYKBmKDVM6
『清楽横笛独自習』廣川正 明治26年版
  『清楽横笛独自習』(廣川正)_M26: https://pdf.yt/d/dqYWbHOWgqHAJHjC

  アドレスをコピペするとPDF閲覧の画面が開きます。
  ただ見るだけならそれでもいいし,DLしたい時は右下のほうダウンロードのボタンがあります。


  ブログ記事「工尺譜の読み方」のシリーズとかでも説明したように,清楽のむかしの譜本と言うのは,買ったそのままだとただの漢字の羅列で,音階は分かっても音の長さが分からないから,どんな曲だかは分からないんですね。買った人がお師匠さまから教わりながら,あるいは独自に朱や墨で印をつけて,どの音をのばすとか,どこを続けて弾くということを書き込んで完成されるわけです。
  ですので,ふつう古本では書き込みがあると困るんですが,わたしたち清楽の研究者は,書き込みがないと逆に困っちゃうわけですね。

  いちばん最初にあげたのは,不肖・庵主作の『月琴読本』。

  このブログで挿絵に使ってたマンガを再構成して作りました。
  いちおう一部では好評。
  ----まあご笑納ください。(w)

  つぎに6冊ばかり並んでるのは,東京で勢力のあった渓派の基本楽譜『清風雅譜』。
  この流派の中興の人である渓蓮斎(富田寛)の校訂した版の朱入り本を,最近あらたに二冊手に入れましたので,これもあげておきます。

  この6冊,「増補改定」以外は曲目はまったくいっしょですが,朱点や棒線,装飾符なんかがちょっとづつ違います。
  音楽のほうではどうだかしりませんが,われら俗っぽいほうの民俗学の研究の手法は「重出立証法」,その「ちょっとの違い」からさまざまなことを読み解いたり,解き明かしたりするのが基本です。
  庵主が月琴や明笛を,30本以上も自腹切って買い込んでるのもそのせいなんですが,さてこの6冊をもとに,渓派の音楽をどこまで解き明かし,再現出来るか----そのあたりがこの夏の庵主のしくだいであります。

  最後の一冊,『清楽横笛独自習』は加藤先生から拝借した資料で,拍子の点もついてて再現可能なんですが,一部の符の指示が分からず,いまだに読み解けないでいるもの。
  笛吹きの方々,たとえば「上ノ指ニテ動作ヲ取ル」とか「工ノ指ニテ動作ヲ取ル」とはなんぞや?
  わかったら庵主にも教えてください。(泣)

  こうした資料をただ抱えこんで秘匿してるだけのマニアさんや,各地の研究機関が,自分のところでは役に立たない,読み解けない,再現できないような資料を,こういう方法でどんどん公開してくれたなら,情報の点と点が線でつながり環になって,研究の裾野も広がり,清楽の不明点なんて1~2年でぜんぶ解決されちゃうんですけどね。

  庵主これより二ヶ月ばかり,北の大地に帰省して,キタキツネとたわむれてまいります。
  夏のお中元(宿題?)をばどうぞどぞ。


(つづく)


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