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月琴50号フグ(3)

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斗酒庵 一年ぶりで50面を越える の巻2017.3~ 月琴50号 フグ (3)

STEP3 ヒレをこう,熱燗できゅーっと。

 ----やっちゃった。

 分解作業のとちゅうで,上桁がパッキリと。
 よく見たらこの音孔(?)のいちばんふくらんだところ。いちばん薄々になってる部分が虫にやられてました。
 あわわわわわ。

 見事にパッキリ逝っちゃったぶん,継ぐの自体は難しくありませんが,力のかかるところだけに,これを通常通りニカワで継いだのでは強度的にシンパイが残ります。

 ここはエポキでいきましょう。
 継いだ部分を音孔の内がわからさらに,和紙貼りして補強します。

 原作者のちょっとやり過ぎ加工と虫のコンボ。
 気をつけてたつもりでも,なかなか難しいものです。

 虫食い部分を除去してスカスカにした表板は,4分割してそれぞれに足りない部分を継ぎ足します。以前の修理で出た松琴斎の楽器の板がありましたので,まずはこれを使いましょう----さすが同門(たぶん)。板の厚みや質がほぼ同じですね。
 経年の部材の変化で,この4枚をそのまま継いでも,現在の楽器の横幅には少し足りません。残りの部分は,胴体に貼り付けてから継ぎ足しましょう。

 虫食いを埋め込んだ胴材は,接合部にニカワを塗って板クランプの上に並べます。これをはさみこみ,かるく固定したままで位置を調整。4枚の胴材が歪みなく,そしてもっとも互いに密着する位置になるまで,微妙に動かしてゆきます。
 ふだんは12本のボルト・ナットでしめあげますが,今回はこの接合部の調整ため,4方向をあけた8本にしてあります。あけておいた部分から,接合部にアクセスして,位置の調整をしたんですね。この板クランプ,ウサ琴の外枠を改造したものですが,ほんといろんな場面で活躍してくれてます。

 胴材が密着したところで,ナットをしめて位置を固定。そのまま乾かして,翌日接合部の裏に薄い和紙を重ね貼りして補強----接着部がちょうどこの和紙のかかるところになるので,下桁の接着はこの作業が終わってからとなります。

 一晩おいて接合部が固まったところで,型枠の下半分だけはずし,下桁を入れて接着します。また一晩養生。下桁がへっつくと胴材が安定します。もう持ち上げてもだいじょうぶ。

 4つのパーツに矧ぎなおした表板に胴材を接着します。このとき小板の間を少しづつ空けて,板の上下左右を少しだけ余らせておきます。

 板がへっついたところでスペーサを埋め込みます。また一晩おいて板の表面と周縁を整形。

 裏板も虫食いがかなりヒドかったんですが,表板に比べると強度の心配もないので,こちらはなるべく切り取らず。充填補填・細かな埋め板で補修してゆきます。表板と違って表面を清掃してないのは,この後の作業で腹に一物あるため。(w)

 こちらも表板同様,スペーサのぶんをあけて接着。
 この作業であちこちこすってるうちに,胴材の棹孔の横のあたりにけっこうな虫食いが見つかりましたので,ばっちり埋め込んでおきます。力のかかる棹孔まで食害が及んでなくって良かったです。

 胴体が箱になったところで,裏板を清掃します----うぷ,表板にも増してすごい真っ黒な月琴汁が!----そう,実はこれが欲しくて,裏板をキレイにしてなかったんですね。
 この真っ黒な月琴汁を,ツギハギな表板の補修箇所になすりこみ,補彩とします。
 なんせもともとついてたものだから,馴染みがよろしい。
 おぅおぅ,スゲぇ。染まってく染まってくぅ!

 お次は胴側を染め直します。
 この楽器の胴側はカテキュー染めです。作業の前に,表裏の板の木口をマスキングしときましょー。もともとそれほど濃い染めではないので,数回さっと刷く程度。ナチュラルカラーっぽい仕上げですね。

 表裏板が乾いたところで,半月を接着します。

 これでもう後一歩ですよぉ!!

(つづく)


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