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月琴58号 太清堂(2)

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斗酒庵 宿敵(w)とまみえる の巻2018.2~ 月琴58号 太清堂 (2)

STEP2 古い月琴はポートピアの夢を見るか

 んでは作業開始~。
 調査の段階でもう裏板をひっぺがしちゃってますが,まずはオモテ面についてるフレットやお飾りをはずします。

 フレットとバチ皮は灰色のボンドで貼りつけられてました----見ないヤクだなあ。いつもの木工ボンドだと濡らせば白くなってハガれてくるんですが,これは耐水性の接着剤らしく,濡らしてもカッチリと硬いままです。
 いつもならボンド使用の罪で,おシリからムラサキ色のケムリがぷぅぷぅ出るようなノロいをかけるところですが,今回の楽器の場合,原作者のいつもの工作を見てたら,なんかどうでも良くなりましたので,朝起きがけに足の小指をぶつける程度のノロいでカンベンしてあげます(w)……え~と,粘土人形とジャブ様の像はどこだ。

 上物がなくなったところで修理の作業に入ります。
 まずは,天地の側板と内桁の表板からハガれているところを再接着しときましょう。
 内桁を特に重点的に,ふちの部分はいつでも直せますが,胴体が箱になってからでは手出しがしづらいですからね。いつも言ってることですが,この楽器は縦方向の支えになる構造がありませんので,修理の時,まず一番に「楽器の背骨」にあたるところ,楽器の中心線にあたる箇所をカッチリと固めておかないと,後々どこかがズレたり歪んだりしてしまいます。しかもそういう歪みやズレは,後になってからだと直しにくい。

 スポーツ選手なんかでもそうですが,「体幹を鍛えとく」ってのは,楽器においても重要なコトなんですヨ。

 接着養生している間に出来るところ。
 後であけられた半月の余計な糸孔なんか埋めておきましょう。

 裏板の割レや,剥離作業などでついた欠ケ・傷なんかも木粉粘土やパテで埋め込んでおきます。表板に比べて裏板の質が悪いのはいつものことですが,フシ目のある荒れ板や若干厚みの違う板まで矧ぎ混んでますのでちょっと暴れそうです。
 また表裏板ともに,製板の時に埋め込まれた竹釘の痕が内面がわにかなり多くあり,深い溝になっちゃってるのも多いので,これも一つ一つ丁寧に埋め込んでおきます。
 それにしても----胴四方の接合部ってのは,だいたいハガれちゃってることの多い箇所なんですが,この楽器の場合は,部材同士の擦り合わせも良く,さらに接合部内側に補強材を渡して貼りつけてあるため,百年たった今でもガッチリへっついておりまする。

 まあ,そこはイイ…タイヘンにヨロシいんですが。その補強の板がまあ,また見事にサイズも厚みもバラバラ。(w)

 べつだん表から見える箇所ではないし,接着の工作も良く「接合部の補強」という役割はバッチリ果たしているわけではありますが,ふつうはもうちょっと材料そろえたりするよね。
 もうホント……そこらに転がってた端材をテキトウに刻んでへっつけた,ッて感じ。
 右がわの二つは内がわの面になにか塗ってありますね。左がわのほうが少し薄く,上下で大きさがかなり異なります。どちらも胴材(ホオ)に比べると少しパサパサした感じのある材,楽器の材,というよりは建具か指物の余り材みたいだなあ。

 てなことをやってるうちに,剥離個所の接着も終わり。
 次の段階へと----な,なんじゃこりゃーーーッ!!!(SE)

 か…壁にダイイング・メッセージが。
 "犯人は,ヤ○。"

(つづく)


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