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【公開】古楽譜PDFと『声光詞譜』電子版 地巻途中まで!

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斗酒庵 告知 の巻【公開】古楽譜PDFと『声光詞譜』電子版 地巻途中まで!

 冬休みといいますか,恒例の雪かき帰省より帰京いたしました!

 任期満了直前にどばッと降りやがりまして。
 屋根近くまで積もったやつを2日かけてとりのぞきますた。
 まずは「明清楽復元曲一覧」にて新公開のPDF資料を2つ。

 ■長原梅園・春田『清楽詞譜』第一巻 明治17年 宮次郎追記(PDF 20MB)

 長原梅園は連山派の流祖・平井連山の妹で,大阪から東京に居を移して「梅園派」を開きました。長原春田はその息子,明治政府の音楽関係部署「音楽取調掛」に勤めておりました。
 庵主が入手したのは全二冊本の一巻のみ。いわゆる端本ですが,収録83譜中のけっこうな数に付点が付されております。口拍子にしか変換できない符号じゃなく,ちゃんと五線譜や近世譜に変換できる拍点のほう。ありがたやありがたや。

 ■小野芳連『西奏楽意譜』(上)(PDF 9MB)

 2件めは長崎派の『西奏楽意譜』。これも上巻のみの端本ですが,正直下巻が出されてるのかどうかも分からない。
 同じ書題で著者も違う譜集が何種類か伝わっているようですね。これもその一つでしょうが,奥付も刊行年記もないので,いつごろ出されたものかは分かりません。
 書題は「西 "奏"」でなく「西 "秦"」と書くものもあって,早稲田大学にある宇田川榕庵の写本などは後者ですね。長崎の研究家・中村重嘉は長崎において初期の写本家が「西 "奏"」と誤写したのが広がったのだろうと書いて(「清楽書目」『長崎談叢』27),「西 "秦"」が正解という感じのようです。
 かなりキッチリした活字の本で,オモテ表紙見返しに「崎陽・小野芳連選/東京門人・荻原芳雲,今村香蓮校正」とありますので,東京で出されたものかもしれませんね。
 収録曲は35譜。ウラ表紙見返しに「竹内福」と署名があって,連山派などで用いられた符号が朱墨で施されています。
 東京における清楽の「長崎派」というのには浅草の月琴舎瑞蘭(松本端闌)なんて人もいますが,渓派や梅園派に比べると少数派だったようで,その楽曲の全容もふくめて,イマイチ詳細の分からないところが多いので。偶然とはいえこういうのが手に入ったのもまたありがたやなハナシであります。

 以上2冊のくわしい収録曲目は「清楽曲譜リスト」 のほうにあげてあります。
 「復元曲一覧」のPDF資料では,ほかにも数多くの付点資料を公開しておりますので興味のある方は見に行ってやってください。商用でない限りDLも再配布も自由です。


 続いては,一昨年からはじめた清楽,連山派(大阪派)の第一基本楽譜『声光詞譜』(明治5年)の楽曲の復元と標準化の作業。今回は2冊目「地巻」21曲めまで----うん,終わりませんでした,あと10曲。


 曲自体について分かる範囲での解説と,曲調復元の過程をイチからやっています。まず原書から規格を統一した拍点譜,拍点から近世譜,符号から口拍子を読み解き。その曲がおおよそどんな感じの曲として演奏されていたか。比較対照の基準となるような,連山派内における「標準的な曲調」というのをもとめてゆく作業です。
 器楽の曲はMIDIのみですが,歌唱のつく曲は人工音声ソフトの AquesTone など使ってMP3に仕立ててます。
 コンテンツも増えてきたので,今回久しぶりにリンクチェックなどしたのですが,ファイル数が4000を越えてました。ほとんどが再現MIDIと資料の画像ですねえ。

 電子版『声光詞譜』トップページはこちらから----


 「電子版 『声光詞譜』 目次」
 http://charlie-zhang.music.coocan.jp/MIDI/SKALL/SK_ALL00.html

 上のページでは各解説ページの構造の説明や,連山派を含めた清楽の付点法(符音の長さをあらわすための方法),そしてそれに用いられる拍点や符号についても簡単に説明しております。

 各曲の解説へは,「清楽曲譜リスト」の『声光詞譜』の項からも飛べるようになってますからね。


 「清楽曲譜リスト」
 http://charlie-zhang.music.coocan.jp/MIDI/LIST.html

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